サービス哲学料理とワインについて

ワインリストの役割

ワインリストはカードコレクションのように

ワインリストはどのようにするか、有力候補があります。子供たちがよく、アニメのカードをコレクションしてますが、あんな感じでファイリングするのです。

ワインは、同名のワインでもぶどうの収穫年によって味わいや香も変わる飲み物ですし、多くの銘柄を扱おうと思えば、同じワインを何本もストックできません。

カード式にすれば、リストの変更は簡単です。また、リストから外すワインも、そのカードを取っておいて、仕入先、仕入れ価格、テイスティングコメントなど書いてファイリングしなおせば大事なデータになる。

実はこれは、「バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?(林伸次氏著)」という著書からヒントを得てますので、お断りしておきます。

どんなワインを揃えるか?

多くのレストランでは、生産国からリストを組み立てています。フランス・ブルゴーニュ、イタリア・トスカーナ、ドイツ・ラインガウ、といったように。これでは、知識のある人しか何が何だかさっぱりわかりません。特にフランス料理店に多いですよね。産地、ワイン名を原語で羅列してあるだけというのが。

そこからお客様との会話が生まれ、ソムリエが本領発揮できる瞬間でしょう、という人もいますが、私は違うと思う。あえて分かりづらくさせるのは高慢な感じがしますし、不親切です。

ちょっと気の利いたところでは、味わいの強弱から組み立てているお店もあります。飲みやすくてフルーティーな赤、渋みが強く骨格のしっかりした赤、など。中には味わいのバランスを図にして視覚的にわかりやすく工夫しているところもある。これはお客様視点に立つとわかりやすく親切ですよね。

ストーリーから組み立てる!?

HICOのワインリストで考えているのは、ストーリーから組み立てるリストです。

水産の仕事をしているとき、ワインからはだいぶ遠ざかっていました。気軽に飲めない事情もありました。でも記憶というのは面白いもので、ふっと思い出すんです。まるで、ずいぶん前に恋をしていた子との楽しかったワンシーンのように。

ワインにはそういう記憶の喚起力が備わっています。

まず、リストに挙げたいのは、そんな感情に訴えるワイン。古い記憶を呼び起こしたり、今という瞬間を忘れがたいものにしたり。だからワインリストには、フルーティーな味わいの赤であっても、皆でワイワイ楽しめるようなワインと、初恋の喜びをひとり噛みしめるようなウキウキしたワインと、分けていきたいと思います。

「これはどんなワイン?」というお客様との会話も、フランス語の羅列だけのメニューを介するより、より豊かな心の交流ができるのではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。