料理とワインについて理念とコンセプト

溶岩焼バーベキュー

外で焼いた肉がいちばん旨い!

2023年の春、レストランHICOを訪れたカップルの話(未来予想図Ⅱ)を通して、どのように魅せていくか、具体的にイメージを深めていました。そうしているうちに、元々なかった発想まで浮かんできました。

溶岩焼もそのひとつです。当初は炭火焼きでいきたいと考えていました。暗闇の中で炭火が赤く燃えている様は視覚的に良いと思ったからです。でも溶岩焼にしても火は起こすわけですから、たいして違いはありません。

むしろ、利点の方が多いことに気付きました。

何より、旨い。ピッツァも、ガスオーブンで焼くより、石窯で焼いた方が美味しいのは、超高温の遠赤外線で焼くからです。表面はこんがり、中はふっくらと火が入る。だから石窯で焼いたピッツァは石窯ならではの食感になります。

それから、ヘルシーであること。肉を焼いた時、余分な脂を石が吸収してくれるという。また鉄板で焼くと肉自体が持つ水分が肉自体にまとわりつきますが、それもない。だから肉の味わいが凝縮して感じられます。

また、網や鉄板で焼くより掃除も楽です。必要以上に匂いをばらまかないし、煙も少ない。溶岩プレートは室内に持ち込んで焼くこともできますから、雨の日や風の強い日、寒すぎる日にも準備が楽です。

いいことづくめです。

火を見つめながら焼くのが一番!

何といっても、肉は野外で豪快に焼くのがいちばん旨いと思っています。穏やかに揺らめく火を見ていると、脳をリラックスさせるホルモンが出るという。人類共通のDNAレベルでの記憶がまだ私たちにも残されていると聞きますが「ご馳走にありつけるぞ!」という原始時代の記憶がよみがえるのかもしれません。

以前、マズローの5段階欲求から美味しさを感じる段階を考えましたが、その理論から言っても、主体的に肉を焼いて食べるというのは、5段階でいうところの最高レベル「自己実現」になる。

経験的にいってもそうですね。三ツ星レストランで食べた、7時間かけて仕上げるという低温調理の肉料理よりも、キャンプに行って、焼いた肉の方が美味しかった。何より、楽しかった思い出と同時に、記憶に強く残ります。

Tボーンステーキ!

Tボーンステーキをご存知でしょうか?フィレとサーロイン、2つの部位がついた骨付き肉です。これを溶岩焼にしたいと思います。毎日はいりませんが、時々、無性に食べたくなる。一度、体験したら頭にこびりついて離れなくなると思います。熱々の溶岩プレートに置いた瞬間の音、香。かぶりついた時の幸福感。

特に夏の夜、ゆらめく火を見つめながら、空を見上げれば星空、片手にワイン、座り心地の良いデッキチェアに座って、かぶりついたら最高だと思います。どんなに時代が変わろうとも「旨い!」と感じるでしょう。

イタリアのトスカーナ地方に「Bistecca alla Fiorentina」(フィレンツェ風ステーキ)という、このTボーンステーキを豪快に焼いた郷土料理がありますが、イメージはそれです。合わせるワインは400年も前からトスカーナの赤ワインと決まってる。サンジョベーゼというイタリアを代表するブドウ品種から作られるのですが、代表的なのがChianti Classico(キァンティ・クラッシコ)。

単純な料理ですが、環境をばっちり整えて、そこに至るまでの流れをきちんと作れたら、人生最高の美味しい記憶になると確信しています。

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