料理とワインについて

野菜の美味しい料理法を学ぶ~にんじん、じゃがいも、大根、しいたけ~

科学的根拠を理解して、素材を活かす

科学的なアプローチから見る、野菜の料理法。得た学びを記録します。

にんじん

にんじんに含まれる糖は、メイラード反応を起こしやすいブドウ糖などの還元糖よりも、ショ糖などの非還元糖が多い。

カロテンを含むにんじんは、テルペンによる匂いを持ち、松葉、木ざい、油、柑橘類、テレビん油の匂いがある。加熱するとカロテンが分解されすみれのようなにおいが加わる。

すみれの匂い、とは私は感じたことがなかったので意外でした。私が好んで選ぶ赤ワインのブドウ品種のひとつ、サンジョベーゼの上質なワインには、すみれの香りがあります。ということは、先だっても軽く触れたように、フレーバーペアリングという似たような香りを持つ者同士は相性が良いという考えでいうと、にんじんと、サンジョベーゼは相性が良いということです。

これは新たな発見でした。

じゃがいも

香はピラジン類とメチオナールと呼ばれる成分や脂質酸化物。茹でるか、焼くか、身か、皮かによって、それぞれの成分の割合が異なる為、香りも変わる。

じゃがいもの糊化温度は58-66度。

糊化とは、でんぷん粒子が水分子を吸収して微結晶構造が崩れ、でんぷん粒子が柔らかいゲル状になること。

55-60度で20-30分加熱すると、ペクチンメチルエステラーゼという酵素の影響で、細胞壁のペクチンが硬化する。

糊化を防ぎたい時は湯がいた後冷水に落とすか、長時間水にさらすこと。水にさらすと、細胞膜のペクチンが水中のマグネシウムやカルシウムと結合し不溶化する。それにより細胞内のでんぷんの吸水が妨げられ糊化しにくくなる。

だいこん

辛みの原因は、アリルイソチオシアネートという成分。酵素反応によって生じる。生ですり下ろすなど、細胞が壊れる操作によって酵素反応を起こす。

柔らかく調理する方法は2つある。ひとつは冷凍して細胞間の水結晶を膨張させ、細胞を壊す。もうひとつは加熱により、細胞壁の接着剤であるペクチンが溶ける。

しいたけ

しいたけに含まれるグアニル酸は加熱によって酵素が働き生成される。

なお、しいたけには、グアニル酸を生成する酵素と、分解する酵素も存在するためコントロールしなければならない。グアニル酸の生成酵素は60度前後まで熱に安定で、しいたけの傘のひだ表層に分布している。一方、分解酵素は、40度で熱に不安定で、傘の上部表層に分布する。水と混ぜてペーストにし、60度で保温した実験では、生シイタケでも乾燥でも、保温10分後にグアニル酸は速やかに上昇し、10分以降減少した。

要は、40度までを速やかに通り過ぎ、60度を超えずに熱を加えると、グアニル酸を最大限ひきだせるということである。

ちなみに干しシイタケを水に戻した時の香り成分はレンチオニン。水、アルコールには溶けにくく、油には溶けやすい。

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以上は『料理のアイデアと考え方 9人の日本料理人、12の野菜の使い方を議論する』(柴田書店)から学びました。料理を深めたいすべての方におすすめです。

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