戦略とマーケテイング

USJから学んだ戦略②

戦略を考えるためのフレームワーク

>>>USJから学んだ戦略①はこちら

マーケティングの基礎は、徹底した消費者理解にあると学びました。

マーケティングは決してクールな概念でなく、ひたすら相手の立場になって考えて、地を這いずり回ってようやく成功するような泥臭いものであると、森岡氏は教えています。

森岡毅著『USJ のジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』(角川文庫)

経営危機にあったUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)を劇的に成長させた森岡氏の著書は、実戦的なマーケティングの手法や考え方が詳細に紹介されています。

戦略とは何か?マーケティングとは何か?

学問としての知識でなく、実戦で使える生きた知恵をわかりやすく書いてくれているので、何度も読み返し、参考にさせてもらってます。

戦略を考えるフレームワーク

戦略は見えざるものです。

本のタイトルでもある「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」の「なぜ?」というのが戦略です。「後ろ向きに走ったジェットコースター」は、戦術。戦略というのはいつも、目に見えません。戦略思考を持つ人だけが想像できることです。

森岡氏は戦略を考えるにはフレームワークがあるといいます。

具体的には、まず目的を明確に定義すること。これが最も大切で、よく考えなければならないことだといいます。

次に、その目的を達成するために、持っている経営資源(人、もの、金、情報、時間、ブランドなどの知的財産など)を何に集中するのかを選んで決めます。その選択が、戦略です。

戦術は、戦略の延長線上で考えて生み出された結果。優れた戦術を考えだすのは簡単ではありませんが、しかしいくら優れた戦術であっても、戦略が間違っていれば失敗します。

この順番で考えることが、戦略的フレームワークです。

金はない、さあどうする?

目的⇒戦略⇒戦術の順番で考えるのは、無限ではない資源を最も有効に活用するためです。漠然と、お客さんを呼び込むにはどうしたらいいか?と考えるよりも、活用できる資源から何に集中すればいいかを決めてから動くので、時間も、労力も、ポイントを絞って使えます。

なぜUSJのジェットコースターは後ろ向きに走ったのか?というのも、資金がなく、外部環境も非常に分が悪い中、なんとか切り抜ければならない切羽詰まった中で生まれたアイデアでした。

このジェットコースターが生まれた2013年は、東京ディズニーランドの30周年にあたる年でした。その影響は5~10%の集客ダメージを受けると推定されました。

USJはその前年2012年に、ファミリー層を集客するためのユニバーサル・ワンダーランドを建設し、2014年にはハリー・ポッターのアトラクションを計画していましたから、新たなアトラクションを新設する資金的な余裕などありません。ハリーポッターの新アトラクションは総額450億円という投資が必要でした。

そして、そのハリーポッターへのお客さんの期待は大きく、USJに行くなら、1年待って2014年に、という潜在顧客が多いことも、調査で分かっていたのです。試算では、ディズニーランドのパワープレイと合わせると15%の集客ダメージがあると推定されました。

ジェットコースターが後ろ向きに走った理由

さあ、金はない、だからといって、何もしなければ、強敵ディズニーランドの30周年と、翌年に控えるハリーポッターの新アトラクション目的の行き控えにより、USJは大打撃を受ける。

とにかく20%以上の需要を喚起するアイデアを絞り出し、2013年を乗り切らなければ!

考えに考え、身体も頭も疲労困憊。うつらうつら床についた時、森岡氏は夢に見たのでした。ジェットコースターが後ろ向きに走るのを。

これだ!と飛び起き、森岡氏はすぐさま電卓をたたきます。既にあるジェットコースターのレールやプラットフォームを活用すれば、乏しい資金でもなんとかなるはず!

そう、ジェットコースターが後ろ向きに走ったのは、その奇抜な話題性だけではない、後ろ向きに走らざるを得ない理由があったのでした。限られた資源の中から限られた少ない資金で、最大限の効果を上げるアイデアを考え抜いた末の、苦肉の策だったのです。

カッコよくいうとリノベーション戦略。でも、このアトラクションは、日本におけるアトラクションの待ち時間記録を更新するほど、大人気のアトラクションとなったのでした。

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