料理とワインについて

パスタの茹で方に独自の思考を入れる

あまり人が手をかけないところに手をかける

美味しいパスタを作る基本は、茹で方にあると思っています。茹でる工程で失敗すると美味しいパスタを作ることはできません。

>>>パスタはなぜ沸騰した湯で茹でるのか?

茹で方にこそ工夫の余地がある

料理として独自の一皿をお出ししようと思えば、ソースの工夫よりもむしろ、茹で方に思考を入れられるのではないか、と考えました。

茹でる、という料理工程は基本的なルールを踏まえれば、美味しいパスタの原則「アルデンテ」(イタリア語で歯ごたえがあるという意味)に仕上げることはそう難しくありません。

>>>パスタの茹で方のポイント

そして、ソースと和えて、フライパンをよく振って乳化させ、料理としての一体感を持たせれば、たいがい美味しいパスタは作れます。ソースはそのバリエーションに限界はないほど多様ですが、独自性という視点で見ると、茹で方にこそ工夫の余地があると思えるのです。

改めて、パスタを茹でる工程

先だっての記事でも書いていますが、パスタを茹でる工程でやりたいことは、パスタのデンプンをアルファ化し、パスタの表面は柔らかく、中心は硬く歯応えを残しながら、塩味をつけることといえます。

その為の条件は、全体量に対し1%前後の塩分があること、沸騰した湯で茹でることが大事なのですが、逆にいえばその条件を満たせれば、美味しく仕上がるわけです。

独自の思考を入れられる、工夫の余地がある、というのはそこです。

たとえば、シンプルなトマトソースを作る場合、チキンブイヨンで茹でたらどうか?チキンブイヨンには、イノシン酸という旨み成分が溶け出しています。一方、トマトソースには、グルタミン酸という旨み成分がある。

以前も書きましたが、旨みの相乗効果といって、イノシン酸とグルタミン酸と合わさると、旨みは1+1=2ではなく、それ以上に感じるのです。

実際、普通に茹でた場合と、チキンブイヨンで茹でた場合、味が深まるのは後者です。コストも手間もかかりますから、そこまでする人は少ないですが、ただのトマトソースでも違いを出そうと思う時、こうした工夫はより料理を深くします。

人が手をかけないところに手をかける

茹で方に独自の思考を入れるということは、レストランのオペレーション上、なかなかやりづらいところです。1%前後の湯で茹でるなら、それひとつあれば様々なパスタを作れますが、トマトソースにはチキンブイヨン、ペスカトーレにはフュメ・ド・ポワソン(魚貝出汁)、カルボナーラにはフォン・ブラン(仔牛出汁)など料理ごとに変えていては、大変です。一般的なイタリア料理店では、手をかけられません。

『溶岩焼とカルツォーネの店HICO』は、完全予約制で考えていますので、ここに手をかけることが出来ます。

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