日々、継続できる「小さなこと」の積み重ねが自信と目標を育てる

日々、欠かさず行っている習慣が4つあります。

  1. 朝の筋トレ
  2. 出勤時のトイレ掃除
  3. 夜の日誌を書く
  4. 寝る前の六方拝

ひとつひとつは、小さなことですし、今日はじめて、1週間後に成果を実感できることではありません。ところが、1年続け、3年続けていくと、明らかにステージが上がったことに気づきます。

誰もが話している「聞きなれたこと」ではあると思うのですが、自身が実践して、大切だと思ったことをまとめます。

目次

自分との約束を守れないやつは、男じゃない

どこで聞いたのか、耳にしたのか、教えてもらったのか、わかりませんが、自分との小さなルールを守り続けることが大きな自信に繋がるんだと、昔から信じていました。たいした根拠もないのですが。もしかしたら、中学生の時に読んだ、北方謙三の小説だったかもしれなません。

自分との約束も守れないやつは男じゃない

そんな趣旨の文章があったように思います。(不確かなので、参考までに聞き流してください。)

毎朝の筋トレは、9年前(26歳)の頃から始めました。レストラン勤務時にお腹が出ていてはみっともない、と考えたからです。

スクワット、腹筋、腕立て。最初は、30回ずつでしたが、いまでは、スクワット131回。腹筋231回。腕立て231回しています。

1回という半端な数字は、何となく迷信がありまして。あともう1回!というプラスアルファの努力と、1という数字が持つ、個人的な縁かつぎ。この「あと1回」がメンタルを鍛えるのに、良いんじゃないかなと思います。基本、雨の日も風の日も、二日酔いで頭がガンガンするときも、毎朝、やってきました。やむを得ず、できなかったときは、次の日に、2セットやりました。

筋トレをする目的

今は身体を鍛えるためだけではありません。きっかけは「お腹が出ていたらみっともないから」ですが、目的が変わりました。

自分との小さなルールを守る為です。やり始めた当初はわかりませんでしたが、今は、続けてきて正解だったと思います。理由は3つあります。

  1. やろうと思えば積み重ねることが出来ると自分を少し信頼できた
  2. 心身ともに厳しい時でも、乗り越えられる精神が鍛錬された
  3. 朝、その時々の心身の状態がわかるようになってきた

人生の指南書にしている、孫子の『兵法』の中でも最も有名な一節。

彼を知り己を知れば百戦してあやうからず。

毎朝の筋トレは、己を知るのに、大事な習慣になっていたのでした。この積み重ねは、自分で事業をするときに重要な資産になると信じているのです。

継続することが独自性につながる

筋トレと同じように、毎日の習慣としてしているのはトイレ掃除。

トイレ掃除ほど、人格を育て、日々を謙虚に過ごさせてくれる習慣はありません。はじめてから3年。その効果はてきめんです。トイレ掃除を始めてから、人生はほんの少しずつ好転したような気がしています。

一口に、トイレ掃除とはいっても、ほんとうに奥が深いんですよ。たとえば、床から拭くか、便座から拭くか。どちらの方が効率よく、きれいにできると思われますか?

トイレの構造にもよりますし、使用する用具にもよるでしょう。私は、始めは厚手のトイレ専用シートを使っていました。コストのことも考えなくてはいけないので、1度に1枚で便座を拭き、そのあとに床を拭きました。床の後に、便座では、便座が汚くなると考えたからです。

しかし、それから厚手のトイレ専用シートは意外とコストが高いことに気づいたんです。それに、便座から掃除すると、床に膝をついて作業できないので、腰をかがまなくてはいけません。その姿勢が少し、つらい。そこで、トイレットペーパーで拭き取る泡スプレーに変更してみました。これなら、床から掃除できます。

それからは、まず床に、シュッ、シュッ、シュッ、とスプレーして、トイレットペーパーで拭き取り、そこへ膝をついて、自然な姿勢で便座を掃除するようにしました。これで、コスト改善と、作業改善して、時間も費用も削減することができたわけです。

トイレ掃除から、経営を学ぶ

そうしたことを3年も繰り返すと、朝のトイレ掃除がますますラクに、早くきれいに、こなせるようになりました。しかも誰に褒められるわけでもないのですが、経費まで削減することができた。そして気づいたんです。

生産性を上げるって、ひょっとしてこういうことじゃない?

トイレ掃除自体は、会社の利益に直接、貢献しません。

ですが、事実、トイレ掃除のコスト削減することで年間数百円、利益を上げました。2分、早く終わらせることで、その2分はセールスやマーケティングの時間に使うことができます。

そして、コストと作業を見直し、改善を重ねる思考と行動は、トイレ掃除だけではなく、たとえばWEBマーケティングで顧客獲得コストを1000円削減し、ランディングページの成約率を1%改善して、結果的に売り上げが1.2倍、利益は1.6倍へとより生産性を上げることに繋がっていくのだと思うのです。

トイレ掃除からも経営は学べるんだ!と気づき、その発見は、自分がはじめてじゃないか!と、興奮しました。

継続することで、得られた自信

朝の筋トレや、出勤時のトイレ掃除がもたらしてくれた恩恵は、それだけではありません。

こうした習慣は、元は、自分との約束でした。

小事を疎かにする者、大事を成さず。

という言葉を小さい頃から耳にしていました。一方で、

細かいことに拘るな

というのも聞いていました。どちらも納得し、どちらも真理だと思うのです。習慣化するまでは、どちらが正しいのかわかりませんでした。

しかしようやく、わかってきたんです。答えは、真ん中にあると。これを仏教では、「中道」というそうです。いつの間にか、自分で決めた、自分との小さな約束。これを、欠かさず守ってきた実績は、自分は約束したことが出来るのだ、という確かな自信となっていました。

筋トレや、トイレ掃除自体は、小さなことかもしれない、でも、トイレ掃除を毎日やる、ということと、100年持続するレストランを作る、ということは、本質的には一緒で、何かを成し遂げようと考える時、自分に出来るも出来ないも、トイレ掃除を毎日続けてきたからこそ、見える未来があるのだと思います。

むやみに自信を持たされることのあやうさ

逆に、むやみに自信を持たされることのあやうさも、理解しました。

たとえば、仕事がうまくいかなくて、落ち込んでいる人に「大丈夫、あなたなら出来る!」というとき。それ自体は、耳障りのいい言葉です。そう伝える人の、励ましたい気持ちも分かります。

でも、やたらとそうやって励ますのはあやうい。その言葉はとことん、悔いのないように努力してきた人にしか向けられるべきではない。

下手な励ましは、クレジットカードを渡すようなものである

「自信」には、形がありません。「勇気」や「信頼」「愛情」のように目には見えませんから、確かにその存在を感じるには行動が必要でしょう。

「勇気」というのは、それを持つ瞬間ではなく、足を踏み出したその時に。「信頼」は、相手が行動で示してくれて、はじめて実感できる。「愛情」も伝えるには持っているだけではダメで、言葉や行動で示してこそ、それと分かってもらえます。「自信」も同じで、根拠を作らなければ持てません。

誰かに持てといわれて持てるものではなく、自分の中で実績を作らないとその存在を感じることは出来ないと思うのです。人に言われて持った「自信」は他人のクレジットカードのようなもので、実体がないのです。

使ってしまって、払えないことに気付き、愕然とする。

自信を持つには、ひたすら自分との約束を守ること

本当の自信は、持とうと思って持てるものではありません。いつの間にか、気づいたら持っているものではないかと思います。私は心の底からやると決めたらやり通す自信があります。なぜかというと、毎日、筋トレと、トイレ掃除を欠かしていないから。

こうして小さなことでも自分との約束を積み重ねてきたから、自分を信じれる。これが気付かぬうちに自信となっている気がします。

だから、むやみに「自信を持って!」と励ますことは、無責任な発言だと感じてしまいます。

小さな積み重ねが、とんでもないところまで運んでくれる

スポーツ選手でも、野球の大谷翔平選手、イチロー選手、サッカーの本田圭祐選手。一流のプレイヤーは、才能だけでなく、努力する天才であると自身では考えている節があります。

彼らは、日々、何をしているか。

共通しているのは、1日の終わりに、その日のことを振り返り、出来たところ、練習するべきところ、課題と改善を、毎日、考え続けたこと。実際にやってみるとわかりますが、慣れるまでは毎日続けるのは結構、大変です。私も眠い目をこすって、なんどペンを持ちなおしたことか。

私もその習慣を真似るようにしました。日々の振り返りを手帳に書くのです。日記というよりは日誌で、目標に対してできたこととできなかったこと、課題などを書いています。

はじめて1年と少し。まだ目に見える変化は、ありません。翌日見ると、何を書いているのか、まったくわからないときもあり、自己嫌悪に陥ることもしばしば……。ですが、小さな積み重ねが、とんでもないところまで運んでくれると信じて、ひとつひとつ積み重ねていこうと思います。

イチロー選手は言っていました。

今自分にできること。頑張ればできそうなこと。そういうことを積み重ねていかないと遠くの目標は近づいてこない。

夢や目標を達成するには1つしか方法がない。小さなことを積み重ねること。

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