サービス哲学

心をつかむのは、意外性

 

オーレン・クラフ著『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』(フォレスト出版)と、ジャック・ワース著『売りこまなくても売れる!説得いらずの高確率セールス』(フォレスト出版)を通して、セールスの学びを深めています。

改めて思うのは、孫子でいえば、「彼を知り己を知れば百戦してあやうからず」。

売り手と買い手とは、双方の立場に立つことが難しい関係です。まして、相手の脳の中をのぞき込むことは不可能。この2冊の著書は、実にそこに切りこんでいます。脳科学の視点から、買い手の心理を把握し、どうすれば成約にいたる壁を壊していけるか、それを解説しています。そのプロセスは、科学に裏打ちされ、最大の成果を上げられると約束しています。

先だっても触れましたが、『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』の中に、フレームという考えが出てきます。フレームとは、商談や会話の主導権を握る枠組みのことです。このフレームを理解すると、いかにその場の主導権を握るかが商談の成否を左右するかがわかります。

効果的なのは、相手が思いもよらなかった意外なことをする、もしくは言うことです。

『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』の中には、こんな例があります。

高層ビルの眺めの良いところに事務所を構え、訪問すると名前を書かされ、受付は豪華な装飾品で埋め尽くされている。これは訪れるものへの自己顕示であり、プレッシャーを与えることにより、優位に立つという、防御でもある。そんなところへセールスにいくと、相手は関心を持たず林檎を食べている。

そこに唐突に、積んであった林檎を掴みとり、勝手にカットして、「私たちのビジネスは」

「フィフティ・フィフテイです」と言う。その瞬間、フレームは、相手ではなくこちらに準じた。

相手にとって、意外な行動をとると、一気に空気は自分のものにできます。それは工夫次第。相手に「おっ」と思わせないと並み居る競合と印象はかわりません。あたま一つ抜けるには、印象を与えないといけません。

「意外性」がキーワードです。