そのルーツはお姫様のわがまま!?
今日はシャーベットのお話です。
ここのところ、料理の話をしているのは、少しでもHICOで過ごして頂く時間を忘れがたいものにさせる為。その仕掛けのひとつが、料理のストーリーを語ることなのです。こうして日々、書き連ねることは貴重な資源となります。実際に提供する料理は想像しているものとはかけ離れていても、それ自体がストーリーになる。初めはこう考えていたのですが、これこれこう考えてこうなりました!という風に(笑)
シャーベットのルーツ
シャーベットの発祥はイタリアです。イタリア料理店ではシャーベットのことを「ソルベット」や「ソルベ」といいますが、もともとはシャーベットではなく、ソルベットという料理でした。
ソルベットの歴史は古く、古代ローマの時代から貴族の間で食べられていたといいます。広く知られるようになるのは、16世紀。イタリアのお姫様がフランスの王子様と結婚したときのこと。
フランス王子に嫁いだお姫様の名は、イタリア・フィレンツェ生まれのカトリーヌ・ド・メディチ。ソルベットは彼女の大好物でした。
ただ、その頃のフランス人は、フォーク、ナイフを使わず、手で食べていたといいます。フランスよりもイタリアの方が食文化はずっと進んでたのですね。お姫様はそれを知り「なんて野蛮なの!」と驚きます。
もちろん彼女の大好きなソルベットなんてありません。彼女はだだをこねます。そんなとこ嫁ぎたくない。でも、それは政治が許しません。彼女は仕方なく従いますが、せめてフィレンツェと同じ暮らしができるように、ということで多くの使用人を連れていきました。その中には料理人も大勢いたそうです。
フランス人も仰天!
驚いたのはフランスの貴族たち。イタリアの食文化レベルのあまりの高さに仰天します。中でも特に度肝を抜いたのが、彼女の大好物ソルベット。婚礼の宴には、フランボワーズや、オレンジ、レモン、無花果、レーズン、アーモンド、ピスタチオなど様々なソルベットが提供されたそうです。それまでスプーンさえ使う週間のなかったフランスの貴族たちが驚くのも無理ありません。
それにしても当時は、硝石を混ぜた氷の上に、ソルベットにするジュースが入った円筒型のスチールの器をつけて、長い時間回転させて作ったというのですから、大変です。スチールの取っ手は、尋常じゃないほど冷たかったでしょう。
結果的にこの結婚は、フランスの食文化に大きな変化をもたらしました。いまの洗練されたフランス料理の原点は、この時から始まったとも言われています。
コロナショックにより、人の暮らしから考え方、働き方は大きく変わるのでしょう。
どうなるのか?というよりも、どう生きたいのか?
たいせつな人たちと楽しく人生を送る為に必要な資産と、生き方を、ない頭で頑張って考えてます。あなたのお役に立てれば幸いです!