オーレン・クラフ著『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』(フォレスト出版)について、何度か紹介しましたが、この本は面白い。
やや分かりにくい比喩表現や、大げさな装飾表現がありますが、神田昌典氏が「10年に一度の名著」と絶賛するだけあります。
核となるのは「フレーム」という物事を見る枠組み。
先だっても、フレームについて私なりの見解を少し書きました。
そこでは「商談や会話の主導権を握る枠組み」と書いたのですが、伝わりにくかったと思います。
私自身、もっと理解を深めないといけないと感じました。
原著が英語で書かれているのもあるでしょう。
「フレーム」と翻訳されてるものの、読んでさらっと理解できません。
上段に立つ
私の師匠は「上段に立つ」という表現をします。
そういうことだろうと、感覚的に理解していました。
セールスの場面で、相手より上段に立つことができないと、成約に繋がりにくいということです。
上段に立つ、とは偉そうにすることでも、相手を自分より下に見るということでもありません。
セールスをする側も商品を購入する側も、人として立場は対等。
ただし、セールスをする商品に関して、主導権はセールス側にあります。
なぜなら、その商品を知っているのは、購入する側よりもセールスの方であり、その商品を買うことによって得するのは購入する側であるとセールスは分かっているからです。
もちろん、それは、誠実な商売に限り、本当に購入側の利益がなければ、詐欺になります。
根底に、商品に対する自信と、誠実さがなければ、上段には立てません。
それは絶対原則です。
フレームという考え方
では、どうやって上段に立つか?
意識だけでは、難しいものです。
特に、セールスをするポジションの人は、商品を自分で一から作っているわけではない場合も多い。
そこで、フレームという考え方を身につけると、テクニックとして上段に立つことが出来る・・・。
『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』を読んで、そう感じました。
フレームにも種類があります。
◎パワーフレーム
◎タイムフレーム
◎アナリストフレーム
◎イントリーグフレーム
◎プライズフレーム
主な、フレームは以上5つ。
それぞれのフレームは共存することはありません。
たとえば、売りこみの電話がかかってきたとします。
「もしもし、○○電気の者ですが、電気代がお安くなるプランをご案内させて頂くのに5分よろしいでしょうか?」
あなたは、どう答えるか?
①「あ、はい・・」
5分ならいいかと、話をきくか。それとも、
②「あ、すみません、いま忙しいので。」と断るか。
それとも、
③「3分ならいいですよ。」というか。
相手はフレームでいくと、「タイムフレーム」でセールスの電話をかけています。
①はそのフレームに従った形。
②は、タイムフレームに対抗して、パワーフレームで粉砕した形。
③は、タイムフレームを逆手に取り、主導権を自分の方へ引き寄せた形。
『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』では、それぞれのフレームにどう対処するか、実例豊かに書いてあります。
しかし、レストランサービスとどんな関係が?
そう思われるかもしれません。
私は、おおいに役に立つと考えています。
ただ相手の為に尽くす、奉仕する、役に立つ、というのでは、人は感動しない。
どこでも、誰でも、やっているからです。
それは、お客さんのフレームの中で、サービスすることです。
他と違う、感動するサービスを提供するには、そのフレームを粉砕しなければなりません。
コロナショックにより、人の暮らしから考え方、働き方は大きく変わるのでしょう。
どうなるのか?というよりも、どう生きたいのか?
たいせつな人たちと楽しく人生を送る為に必要な資産と、生き方を、ない頭で頑張って考えてます。あなたのお役に立てれば幸いです!