戦略とマーケテイング

マーケティングプランは5W1Hで企画する―――『顧客起点マーケティング』西口一希著より

『顧客起点マーケティング』(西口一希著)から得た学びを実践に落とし込んでいます。

何をまとめたいかというと、飲食店においてどう活用するか?

顧客起点マーケティングは、たった一人の顧客分析から勝てる仕組みを作っていきます。

まずは、5つの顧客セグメントを作ることがスタートでした。

飲食店の場合、常連、一般顧客、離反顧客、お店を知ってるが来店したことのない顧客、お店を知らない顧客。

以上5つに分けます。

勝てる仕組みづくりとは、下記のように、それぞれのセグメントごとにどうすれば上位顧客に移行していけるかを組み立てることです。

(C)Kazuki Nishiguchi, Shoeisha Co., Ltd 西口一希著「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社)

顧客起点マーケティングについての詳細な考え方は、こちらの記事をご覧ください。

マーケティングプラン

手あたり次第、各セグメントごとのマーケティングプランを組んでしまうと効率が悪く、機会損失の恐れもあります。

それを避けるために、ターゲットとする顧客層を選定します。

飲食店は各お店によって強みも弱みも違いますが、近視眼的な目で見ると、どうしても目の前のお客さんを常連化する施策に奔走しがちです。

顧客セグメントでいうと、一般顧客をいかに常連化させるか?

しかし経営全般を見渡した時、急務なのは離反顧客を離反しないように食い止めること、だったりします。

また、マーケットでの認知が低い場合には、集客から見直さなくてはいけないかもしれません。

どの顧客層をターゲットとするかについては、事業全体を見渡し、お店の強み弱みを含めて、どこに経営資源を集中させるかをよーく考えます

5W1Hで企画する

どの顧客層をターゲットとするかが決まれば、5W1Hで企画することを西口氏はすすめています。

例として、一般顧客から常連化させる戦略を考えてみます。

そのために常連のセグメントの中から、一人えらんでインタビューします。

聞きたいことは、次の3つ。

  • 認知・・・いつ、どのようなきっかけでお店を知ったのか?
  • 購買行動・・・なぜ来店したのか?
  • 頻度・・・なぜ、常連客となったのか?

これを深く行うことで、一般顧客から常連化させるヒントが見えてくる。

著書では、N1分析(たった1人の顧客を知るN1分析)と言っています。


常連客の思考、生活様式、行動パターン

常連客のひとり、54才の男性(仮に田中さん)をインタビューします。

そこで、見えてきたことは下記のようなことだったとしましょう。

  • 認知:お店を知ったきっかけは、田中さんの奥さんの仲の良い友人との会話で出てきたのがはじまりだった。
  • 認知→購買行動:こんなレストランがあるということで、田中さんに伝わり、今度の結婚記念日に予約してみようとなった。
  • 購買行動:奥さんの友人からは、すごいパスタ料理があると聞いていた。話によると、北海道の海産物を使ったトマトソース「ペスカトーレ」だが、その豪華さが非常識なくらいだという。
  • 頻度:実際に来店してみると、噂通りの豪華さだった。しかしそれよりも田中さんが驚いたのはスタッフのサービスで、20代の若いスタッフが礼儀正しく、はきはきと話し、歴史の話にもついてくることだった。
  • 頻度:結婚記念日ということは伝えていなかったのに、スタッフが田中さん夫婦のさりげない会話の中から察して、デザートにはサプライズでデザート盛り合わせが出てきた。なんと「祝!結婚30年」というプレート付きで。

以上のインタビューから、一般顧客を常連化するにはどうするか、5W1Hで考えていくわけです。

WHAT

WHATは、そのお店でしか食べられない料理や、得られないサービス、体験のことで、著書では「アイデア」と呼ばれるものです。

アイデアについては、こちらをご覧ください。

ここでは常連客のインタビューからはっきりとわかったことがあります。

常連化となったきっかけは、北海道の海産物を使った「スパゲッティ、ペスカトーレ」という名物料理。

ではなく、スタッフの質の高いサービスでした。

なぜなら、そのお客様は名物料理を食べたいから常連化したのではなく、歴史の話にもついてくる若いスタッフや、伝えてもいない結婚記念日のサプライズサービスに感動したから、常連となったのです。

こうした人間力は、コモディティ化(ほかにいくらでも代替となるものがあること)しづらく、独自性を生みやすい。

常連化させるための、独自性と便益を両立させるアイデア(=WHAT)は、質の高いサービスに決まりました。

WHO

一般顧客を常連化するための施策ですから、ターゲットは、一般顧客です。

これまでの流れから、なぜ常連化していないかを考えると、質の高いサービスを提供できていない、もしくは提供する機会がなかったといえます。

ただ名物料理目当てで来店したとか。

では、常連化するためにはいつ(WHEN)、どこで(WHERE)、どのように(HOW)「アイデア」を届けたらいいのか?

常連化する深層心理は何なのか(WHY)をもとに組み立てていきます。

WHEN

常連化する大きなチャンスは、インタビューからはっきりとわかっています。

そう、記念日などのイベントです。

結婚記念日だけでなく、誕生日や合格祝い、快気祝いなんかも含めるべきでしょう。

WHERE

飲食店の場合、店舗を持っている為、どこで、という概念は浅く捉えられがちですが、認知~常連化までの押さえておきたいポイントとして、お店の情報がどこで伝わったのか、ということです。

たとえば、田中さんへのインタビューからわかったことは、田中さん自身がお店の情報とはじめて接触したのは、奥さんとの会話なので、田中さんの自宅です。

どんな時にお店の情報と接触するか、というのは大事だと思います。

情報の接触頻度にもよるでしょう。

いずれにせよ、どこかレストランを予約しようと思ったときにそこに情報があるというのはとても有利です。

HOW

ここで、どのように「アイデア」を届けるべきかが問われます。

たとえば、自宅にお店の情報がいつでも置いてある状態を作れたらどうでしょう?

記念日などの機会があれば、選ばれやすくなるかもしれません。

そのためには、他のお店の情報と一緒にされてはたまりません。

ただのチラシではだめです。

何をしなくちゃいけないかと考えたら、お客さんが取っておきたいと思えるようにしておかなくてはいけないのです。

小冊子にするとか、割引チケットをつけるとか、製本するとか、工夫する。

WHY

ここまでで、ある程度の流れは作れました。

最終関門は、常連化する意思決定を左右している心理の働きと、その心理を形成しているインサイトを確かめること

田中さんの場合、常連化を決定づけたのは、質の高いサービスでした。

具体的には、若いスタッフが歴史の話にもついてきた驚き。

それから、伝えてもいない記念日のサプライズサービス。

料理が美味しいのはもちろんですが、スタッフのサービスの質に感動して、常連となっています。

そうしたサービスは、事前に認知しておらず、期待もしていませんでした。

もし、それが事前にわかっていて、期待通りのサービスだったら、効果は半減するでしょう

そのため、具体的にどんなサービスをするかというのはある程度ブラックボックス化しないといけません。

常連化するためのマーケティングプラン

以上を踏まえて、策定したマーケティングプランは下記のとおりです。

  • 目的:一般顧客を常連化する。
  • 手段:期待値を超えるサプライズサービスを届ける。
  • 手順:お店の情報を小冊子化して、捨てられない情報源を作り、記念日サービスのことなども盛り込んでおく。ただし、伝えすぎない。その資料を一般顧客あてに郵送でおくる。もしくは、来店した一般顧客に手渡す。一方で、スタッフの人間力を高める教育をする。そうして来店してくれたら、お客さんの期待値を超えるサービスをするため全身集中する。

実際にはもっと詳細に細部を詰めていかなくてはなりませんが、このような流れでマーケティングプランを作成し、PDCAを回していけば、常連化は促進されるでしょう。

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HICO
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ほんの小さな感動が、誰かの人生をちょっと変える。そんな食体験を通して人類に貢献することが僕の使命です。目標は「100年レストラン事業」。お金も才能も人脈もありませんが、実現させるために日々、愚直に考えていることを綴ってます。
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