いきなりですがドイツでは、日曜祝日は、ほとんどすべての国民が家族と共に過ごし、仕事をしないそうです。レストランも娯楽施設も、商業施設も空いてません。営業してはいけない、という決まりもあるそうで。
メリハリがとてもはっきりしているんだそうですね。
それでも、GDPは日本に次ぐ、世界第4位。一人あたりの生産性は、日本を凌ぎます。まして、日本は、朝から晩まで、働き詰め。それではじめて、世界第3位の座にいれる。
その理由のひとつに、日本は、消費者主体で、消費者に合わせてサービスが強化されてきたからであろうと推測されています。お客様は神様、というのはサービス業においてしばしば言われることですが、それは受け取り方を間違えば、消費者への隷属化です。
ワークライフバランス
実際、コンビニに限らず24時間営業をした飲食店のほとんどが、今、苦境に立たされている。人手が少なく、消費者の為に営業時間をのばしても、労働価値は下がる一方で、単価もあげられず、悪い循環に入ってしまってるのです。
ドイツはというと、労働者主体です。どんな立場の人でも、休日は休日。お休みです。日々の仕事も、定時にきて、定時に帰る。無駄がありません。
ドイツは、ワークが先に来るのではなく、ライフが先にきます。最近、ワークライフバランスという言葉を頻繁に耳にするようになりましたが、ドイツでは、逆で、ライフワークバランスの考え方が浸透しているようです。
サッカーのスタイルも、相手が受けやすい位置にパスをするのではなく、そこに走らせるべくパスをします。・・・わかりにくいでしょうか?
ようは、相手に合わせるのではなく、相手に合わさせる、ということです。それがまた、互いの自立性を物語る。パスをする方も自己責任ならば、受ける方も自己責任。受け手がすべてではありません。
ドイツ人に学ぶ仕事観
日本はワーク(仕事)を、ドイツはライフ(人生)を優先したバランスの取り方でした。
ですが、どちらが正しいというのではなく、私個人の意見は、どちらを優先するというより、どちらも大事であるから、仕事と人生をどう捉えるかというぶれない哲学を持つのが第一かなと思います。
週休2日?週5日労働?
日本では、休みの日が特別な日です。月曜から金曜日を、平日、といいます。だから、週休2日制なんていう。
一方、ドイツでは真逆で、働く日が特別なのです。だから、ドイツではこういいます。週5日労働。
こうしたところからもライフ(人生)に重きを置く価値観が垣間見えます。私はこの捉え方は良いなと思っています。なぜなら、人生のうち、眠る時間を除けば、働く時間の方が、休日より多いわけです。この方が本質を捉えています。
生産性の向上はドイツ人に学べ
今回、ドイツと日本の考え方の違いから、感じるところがあったのは、『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ/隅田 貫 (著) 』(KADOKAWA / 中経出版)のオーディオブックを聞いたからです。
なぜドイツ人の生産性が高いのかは、本書に譲るとして、ドイツ人の合理性と、人生の捉え方には、学ぶところがあるなと思いました。働き方改革の只中、ますます生き方が多様化してきた現代では、ライフに重点をおく生き方を選択する人も増えるでしょう。
ただ、経済なくしてライフはありませんから、経済を生み出すワークとのバランスは、日本の経済が弱くなるほど、限定されてくるのかもしれません。
そう考えると、やはり、仕事と人生をどう捉えるかというぶれない哲学が大事ですね。