時折、怒りさえ覚えるのが、メディアのブラックマーケティング。
ブラックマーケティングとは、人の不安や恐怖を煽ることでコミットする手法です。
たとえば、
- 致死率10倍!新型コロナの脅威
- 食事で窒息も。子供の安全対策
- ドンキ駐車場で0歳児死亡
これは、実際にニュースのキャッチで使われていました。
・・・どう思いますか?
漠然とした嘘
致死率10倍!新型コロナの脅威。
全国区のテレビで放映されていた朝のニュース番組でした。
何が10倍か、といえば、比較しているのはインフルエンザです。
これは明らかに間違いです。
3月10日時点、日本国内の新型コロナウイルス感染者は498人、死者9人。(朝日新聞)
割合でいえば1.8%。
一方、2017-2018期のインフルエンザ感染者数は約1,000万人、死者は約1万人。(厚労省)
ということは、致死率は0.1%。
だとすると、致死率は18倍です。
考慮すべき点
ただ、日本は1日3000人のPCR検査が可能としていたものの、実際に検査したのは1日になんと100人程度(2月末時点)だったそうです。
その10倍は、潜在的な感染者がいるといわれますが、本当のところは分かりません。
仮に10倍感染者がいるなら、0.18%となり、1..8倍。
年の為、韓国の数字を見てみます。
韓国は同時期、1万人の検査体制だったからです。
韓国での感染者数は3月10日時点で、7979人、死者67人。
致死率は0.8%。
インフルエンザの致死率と比べると8倍。
人を不安に陥れ、視聴率を稼ぐ下賤さ
いずれにしても、漠然とした数字です。
しかもテレビでは、詳しい数字の根拠に触れていませんでした。
10倍というなら、その根拠まで添えるべきでしょう。
視聴者の頭に残るのは、10倍という漠然とした恐ろしい数字で、いたずらに不安を煽るだけだからです。
この手の報道は、毎日毎日、テレビでネットニュースで繰り返されています。
ちなみに、インフルエンザによる死亡者は2019年1月だけで1685人。
1日に54人もなくなっている事実は、報道されることはありません。
過剰な注意喚起
食事で窒息も。子供の安全対策。
この見出しは、ネットニュースからの引用です。
何事か思えば、新型コロナでお留守番をしている子供たちが食べ物を喉に詰まらせて窒息死しないように気をつけましょう。
という記事です。
どう思いますか?
たしかに喉にモチを詰まらせてなくなるご老人は1月だけで1300人いるという新型コロナよりも怖い(?)統計はある。
が、過剰すぎる。
こうした記事が目に付くニュースになる背景には、超高齢化社会があるのでしょう。
行き過ぎた老婆心は、子供の自由と勇気と想像力を奪う。
と思うのですがどうでしょうか。
悪質な見出し
ドンキ駐車場で0歳児死亡。
この見出しも、悪意を感じずにいられません。
量販店のドン・キホーテ駐車場で0歳児が死亡したという記事ですが、これを聞いてどう思うか。
おそらく書き手は「親が放置して殺したんじゃないか」と読み手が想像するように狙ったのでしょう。
ですが、よくよく読んでみると、両親は放置していなかった。
買い物を終えて、交代でトイレにいったという。
それが、眠っている間に亡くなってしまった。
これは、乳幼児突然死症候群といって、年間100人以上が亡くなられている突発的な病気です。
病死と、他殺は、全く違う。
目的は、視聴率やアクセス数を稼ぐこと
メディアというのは、今世界で何が起こってるのか、必要な情報を流すことによって人の役に立てる媒体です。
それなくして、私たちは生きていく指針を持てない。
政治家が悪い事すれば弾劾し、痛ましい事故があれば二度と起こらないように我が事のように考え、経済の動向を知り未来を予測します。
でも人という生き物は、本能的に危険に敏感になるようできています。
最も原始的な脳は「爬虫類脳」と呼ばれ、現象に対し、感じるより前に反射的に反応してしまう脳です。
怖い、不安、危険、恐れ、といったダークな意味を持つ言葉が力を持つのはその為です。
メディアは視聴率やアクセスを稼ぐ為、それを計算して見出しをつける。
情報過多の時代、賢くならなければ、私たちはメディアに洗脳されてしまうでしょう。
だから、富裕層は、メディアに触れないようにしているという話を聞いたことがあります。
自分の頭で考え、答えを出すことがまず、求めらる時代ですね。