日本で味わえる”真のナポリピッツァ協会”認定レストランまとめ

日本で味わえる"真のナポリピッツァ協会"認定レストランまとめ

「ナポリピッツァ」と聞いて、どんな味を思い浮かべますか?

香ばしい焼き目、ふんわりモチッとした生地、にじみ出るトマトの酸味とチーズのコク。
あの一体感ある美味しさには、なんとも言えない説得力がありますよね。

でも実は、その“感動の一枚”には、ある「認定マーク」が関係していることをご存じでしょうか?
それが、“真のナポリピッツァ協会(AVPN)”の認定店という存在なんです。

ナポリピッツァは、ただの丸い食べ物じゃありません。
そこには、ナポリの職人たちが何百年もかけて受け継いできた焼き方、素材の選び方、生地の伸ばし方――“伝統”がぎゅっと詰まっている。

その「本場の味」を世界中に正しく広めようと、1984年にナポリで設立されたのが、AVPN(Associazione Verace Pizza Napoletana)
彼らは、「これぞナポリピッツァ」と呼べる厳格な基準を定め、それを満たした店にだけ認定証を与えているんです。

つまり、“AVPN認定店”は、「ナポリが誇る本物の味を、真面目に再現している店」ということ。

生地の配合も、伸ばし方も、焼き方も――一枚のピザの中に、妥協ゼロの職人魂が込められている。
僕が初めて認定店でピザを食べたとき、「ああ、これはもう別の食べ物だ」と本気で思いました。

このブログでは、日本国内にあるAVPN認定のピッツェリア(ピザ専門店)を、エリアごとにわかりやすくまとめて紹介していきます。旅行のついでに立ち寄ってもよし。記念日ディナーに予約してもよし。
「今日のランチ、本物のピザにしてみようかな?」なんて日にも、きっと役立つはずです。

さあ、あなたの街の近くに、“ナポリが認めた一枚”はあるでしょうか?

目次

真のナポリピッツァ協会認定店とは?──信頼の証「AVPN」ロゴの意味

真のナポリピッツァ協会より

街でピザ屋さんを見かけると、つい“あのロゴ”を探してしまう自分がいます。

赤い円の中に、道化師のようなキャラクターが薪窯でピザを焼いている。
それが「真のナポリピッツァ協会(AVPN)」の公式ロゴマークです。

このロゴ、ただの飾りじゃありません。
“ナポリの職人たちに認められた証”なんです。

AVPNの認定を受けるためには、イタリア本部から派遣された審査員による厳しい審査をクリアしなければなりません。
しかも、その審査は一度きりじゃない。合格した後も定期的に“味の監査”が入るんです。

基準はというと、以下の通り。

真のナポリピッツァの条件 10か条

  • 生地を味わうものであるから、生地の材料は、小麦粉・塩・水・酵母のみとする。
  • 床面部分には粘土や陶土を用い、ドーム状に耐熱レンガが積まれた薪窯で焼かなければならない。
  • 窯の燃料は、薪、もしくは木屑のみとし、ピッツァの香りを損ねない木材を使用すること。
  • 完璧なコルニチョーネ(縁)を作るため、発酵させた生地は麺棒や機械でなく、手で伸ばす。
  • 生地に塗るトマトは適度に酸味があり、かつ果肉が残っていなければならない。
  • マルゲリータに使用するモッツァレラチーズは、ひとさし指状のスライスにする。
  • 生地は約430度の薪窯の床面に直に置き、鉄のパーラ(ヘラ)で回転させながら均等に焼く。
  • 焼き上がった生地は、コルニチョーネが1、2センチにふくれて弾力があり、中に空洞が出来ていなければならない。
  • 中央部の厚さは3ミリ。割れずに簡単にふたつ折りにできる柔らかさに焼き上げる。
  • 1生地の表面にポコポコとまんべんなく気泡が出来、裏面にも全面に焼き色がついていること。

……正直、読んでるだけで「うわ、めんどくさ…」って思うレベル(笑)。

でも、ここまでやるからこそ、ナポリピッツァは“ナポリピッツァ”たり得るんです。

このAVPNロゴは、そんな「ピザへの情熱」「伝統への敬意」「技術への誇り」が詰まった、いわば“一枚の証明書”。
それを掲げる店に入るということは、ナポリの精神を食べに行くことと同じなのかもしれません。

ちなみに、世界中のAVPN認定店の一覧は協会公式サイトにも掲載されていますが、なにぶん英語やイタリア語だったり、情報が更新されていなかったりすることもあるので、日本国内ではあまり参考になりません。
だからこそ、この記事で“今、日本で食べられる”本物のピザをピックアップして、エリア別にご紹介していこうと思います。

それでは、いよいよ日本各地の認定店たちを、一軒ずつ旅するように見ていきましょう。

日本で味わえる「真のナポリピッツァ協会」認定レストラン 厳選20選

日本で味わえる「真のナポリピッツァ協会」認定レストラン 厳選20選

日本国内には、真のナポリピッツァ協会(AVPN)に認定された店舗が数多く存在します。これらの店舗は、厳格な基準をクリアし、本場ナポリの味を忠実に再現しています。以下では、その中から厳選した20店舗をご紹介します。

関東地区の「真のナポリピッツァ協会」認定レストラン

関東地区は東京を中心に、もっとも真のナポリピッツァ協会(AVPN)に認定された店舗が存在します。甲乙つけがたいですが、一度は行ってみたい店舗をピックアップしてみました。

ピッツエリア エ トラットリア ダ イーサ(Pizzeria e Trattoria DA ISA)

  • 所在地:東京都目黒区青葉台1-14-17
  • 特徴:世界ピッツァ選手権で2年連続優勝した山本尚徳シェフが手がける人気店。セブンイレブンの「金のマルゲリータ」監修でも知られています。
  • 名物ピッツァ:「マルゲリータ・エクストラ」—濃厚なチーズとトマトソースのバランスが絶妙。

ピッツェリアGG 吉祥寺(Pizzeria GG)

  • 所在地:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-17-1 プレジール B1F
  • 特徴:薪窯で焼き上げる本格ナポリピッツァが評判。リーズナブルな価格で本場の味を楽しめます。
  • 名物ピッツァ:「マルゲリータ」—もちもちの生地とフレッシュなトマトソースが特徴。

ラ・ピッコラ・ターヴォラ(La Piccola Tavola)

  • 所在地:東京都杉並区永福4-2-4
  • 特徴:東京で最初にAVPN認定を受けた老舗。ミシュランにも掲載された実力店。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、D.O.C.(水牛モッツァレラ使用)

ピッツェリア チーロ 東中野店(Pizzeria Ciro Higashi-Nakano)

  • 所在地:東京都中野区東中野3-8-13 フェニックスビル1F
  • 特徴:2021年にAVPN認定を取得。薪窯で焼く本格ナポリピッツァが楽しめる。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、マリナーラ

ピッツェリア・ダ・ミケーレ(Pizzeria da Michere)

  • 所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目4−7 第6伊藤ビル
  • 特徴:ナポリの老舗「アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ」の日本第1号店。ナポリから直送された食材と窯を使用し、伝統の味を再現。
  • 名物ピッツァ:「マルゲリータ」と「マリナーラ」の2種類のみを提供し、素材と技術にこだわった一品。

ピッツェリア カポリ(Pizzeria Capoli)

  • 所在地:東京都新宿区新宿4丁目1−9 ユースビルPAX B1F
  • 特徴:新宿駅から徒歩すぐの好立地。薪窯で焼き上げるピッツァが人気。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、クアトロフォルマッジ

ピッツェリア トニーノ(pizzeria TONINO)

  • 所在地:東京都世田谷区松原3-29-19 鈴木ビル 3F
  • 特徴:イタリアの雰囲気をそのまま再現した店内で、薪窯で焼き上げる本格的なナポリピッツァを提供。季節の食材を活かしたシーズナルメニューや、多彩なイタリアワインも魅力です。
  • 名物ピッツァ:定番の「マルゲリータ」や「マリナーラ」に加え、季節限定のピッツァも人気。

ピッツェリア・オオサキ(Pizzeria OHSAKI)

  • 所在地:埼玉県戸田市下戸田2-24-23
  • 特徴:埼玉県戸田市にある埼玉県で第一号のAVPN認定店。地元の人々に愛されるアットホームな雰囲気が魅力です。武蔵浦和にも店舗があります。
  • 名物ピッツァ:クラシックなマルゲリータが人気。

ピッツェリア・アミーチ(Pizzeria Amici) つくば店

  • 所在地:茨城県つくば市手代木261−10
  • 特徴:広々とした店内で本格ピッツァが楽しめる。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、クアトロフォルマッジ

ピッツェリア ティンタレッラ(Pizzeria Tintarella)

  • 所在地:千葉県柏市柏6-8-40
  • 特徴:薪窯で焼く本格ナポリピッツァ。地元で人気のピッツェリア。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、マリナーラ

ピッツェリア キアッキェローネ(Pizzeria Chiacchierone)

  • 所在地:神奈川県横浜市中区野毛町3-158
  • 特徴:横浜市中区野毛町にある「真のナポリピッツァ協会」認定店で、ナポリから取り寄せた薪窯で焼き上げる本格ナポリピッツァを提供しています。
  • 名物ピッツァ:「マルゲリータ」や、季節限定のスペシャルピッツァなど、多彩なメニューが魅力です。

関西地区の「真のナポリピッツァ協会」認定レストラン

さくらぐみ(Sakuragumi)

  • 所在地:兵庫県赤穂市御崎2-1
  • 特徴:1997年に日本初のAVPN認定を受けた、ナポリピッツァのパイオニア的存在。瀬戸内海を望む絶景ロケーションも魅力です。
  • 名物ピッツァ:シンプルながら奥深い味わいの「マルゲリータ」。

ピッツェリア イル リトロボ(Pizzeria Il Ritrovo)

  • 所在地:和歌山県和歌山市中591-45
  • 特徴:和歌山大学前駅近く。薪窯で焼くピッツァが評判。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、マリナーラ

イルソーレ ロッソ(IL SOLE ROSSO)

  • 所在地:大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目4−14 SHINSAIBASHI ENKYO ビル 2F
  • 特徴:2004年創業の老舗ピッツェリアで、2007年に「真のナポリピッツァ協会」から世界で242番目の認定を受けた大阪初のAVPN認定店です。ナポリから取り寄せた薪窯で焼き上げる本格ナポリピッツァを提供しています。
  • 名物ピッツァ:「マルゲリータ」や、星型の「ステラ」など、伝統的なナポリピッツァを楽しめます。

北陸地区の「真のナポリピッツァ協会」認定レストラン

バードランド(BIRDLAND)

  • 所在地:福井県坂井市三国町緑が丘4-19-21
  • 特徴:福井県唯一の「真のナポリピッツァ協会」認定店で、1989年創業の老舗です。地元の食材を活かしたピッツァ作りに定評があります。
  • 名物ピッツァ:「へしこピッツァ」や「三国の甘海老ピッツァ」など、福井の特産品を取り入れたオリジナルピッツァが人気です。

北海道・東北地区の「真のナポリピッツァ協会」認定レストラン

ピッツェリア ルッチ 岩見沢店(Pizzeria Lucci)

  • 所在地:北海道岩見沢市上志文町794
  • 特徴:自然豊かな場所に佇むピッツェリア。薪窯で焼くピッツァが自慢。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、クアトロフォルマッジ

ピッツェリア・トラットリア・チェルボ(Pizzeria Trattoria Cervo)

  • 所在地:北海道恵庭市黄金南2-19-7
  • 特徴:北海道で本格ナポリピッツァを提供する数少ない認定店。地元の食材を活かしたメニューが魅力です。
  • 名物ピッツァ:「マルゲリータ・ビアンカ」—チーズとバジルの香りが引き立つ一品。

緑のイスキア(Verde Ischia)

  • 所在地:山形県鶴岡市羽黒町押口川端37-7
  • 特徴:山形県で唯一の「真のナポリピッツァ協会」認定店で、地元の食材を活かしたナポリピッツァを提供しています。
  • 名物ピッツァ:「マルゲリータ」や、季節のフルーツを使った「フルーツピッツァ」など、素材の味を活かしたピッツァが楽しめます。

九州地区の「真のナポリピッツァ協会」認定レストラン

ピッツェリア ダ ジーノ(Pizzeria Da Gino)

  • 所在地:佐賀県佐賀市神野東3丁目7−13
  • 特徴:佐賀県初のAVPN認定店。薪窯で焼く本格ピッツァが楽しめる。
  • 名物ピッツァ:マルゲリータ、クアトロフォルマッジ

ピッツェリア・ダ・ガエターノ(Pizzeria da GAETANO)

  • 所在地:福岡県福岡市中央区渡辺通り2-7-14 パグーロ薬院1階
  • 特徴:ナポリ・イスキア島の名店「ダ・ガエターノ」が世界で唯一認めたピッツェリア。オーナーの舌間氏は、ナポリで修行を積んだ実力派。
  • 名物ピッツァ:「ピッツァ・ガエターノ」など、ナポリの伝統を感じさせる一品。

番外編:真のナポリピッツァ協会に加入していなくても抜群にうまい店

真のナポリピッツァ協会に加入していなくても抜群にうまい店「ガレリア」

ここまで読んでくれたあなたに、どうしても紹介したい一軒があります。

それが、「ピッツェリア ガレリア(Pizzeria GALLERIA)」。場所は、大阪。富田林と梅田の2か所に店舗がある、情熱あふれるナポリピッツァのお店です。

実はここ、僕が大学生のときにアルバイトをしていたお店なんです。

初めて訪れたのは、友だちに連れて行かれた何気ない夜でした。ナポリピッツァって、こんなに感動するものなんだ――と、胸を打たれて、その場で「バイト募集してませんか?」と聞いて、働かせてもらうことになりました。僕にとって、ナポリピッツァとの出会いでもある特別なレストランです。

ピッツェリア ガレリア(Pizzeria GALLERIA)

  • 所在地:富田林本店:大阪府富田林市向陽台2丁目2−7 / 梅田店:大阪府大阪市福島区福島6丁目24−24
  • 特徴:「真のナポリピッツァ協会(AVPN)」には加盟していません。それは、協会のルールを否定するのではなく、“うまさ”を突き詰めた結果、独自のアプローチを選んだから。たとえば、小麦粉は北海道産「はるゆたか」。生地を仕込む時間帯、気温、湿度、空気の流れまでも緻密に管理し、毎日「最高の状態」に仕上げている。言うなれば、“科学と情熱の融合”です。AVPNの基準に縛られないからこそ、自由に「本当においしいと思える一枚」を追求できる。そんな哲学が生きているピッツェリア。
  • 名物ピッツァ:生地のうまさがダイレクトに伝わる「ピッツァ・マリナーラ」。こだわりすぎて、バジルまで育てることになった「ピッツァ・マルゲリータ」は是非食べてほしい。

僕が今こうして、ナポリピッツァについて語るようになったのは、間違いなくこの店があったから。

だから、認定店じゃなくても、間違いなく「本物の一枚」がある。そんな“もうひとつの真実”を、あなたにも知ってもらえたら嬉しいです。

まとめ:ナポリピッツァの“旅”は続く

ナポリピッツァの“旅”は続く

ナポリの街角で生まれ、イタリアの国民食として育ち、今や世界中で愛されているナポリピッツァ。

でも、それは単なる“食べ物”ではありませんでした。
小麦、水、塩、酵母だけで作られる生地の中に――
職人たちの誇り、歴史の重み、そして「本物を届けたい」という情熱が、確かに詰まっているんです。

そんなナポリピッツァの「魂」を守り、世界に伝えていく役割を担っているのが、真のナポリピッツァ協会(AVPN)。その認定を受けた店で食べる一枚は、まさに“ナポリの分身”。日本にいながらにして、現地の風と香りを感じるような感動があります。

けれど僕は、こうも思うんです。

AVPNに認められた一枚も、独自の道を貫いた“型破り”の一枚も、うまいものは、うまい。だからこそ、この記事では認定店だけでなく、心からおすすめしたい“もうひとつの名店”も紹介しました。

ピザは、自由です。
それを食べる人も、作る人も、どこまでも自由であっていい。

ナポリピッツァを愉しむ旅はまだまだ終わりません。あなたにとっても、心愉しいひとときとなりますように。

目次