私の夢は、100年続くレストラン。
趣味レベルでできるくらいまで、資本を蓄えて、スタートしたいと考えています。メニューBOOKは特に、こだわりたい。その構想を、ここで紹介させてください。
ディズニーランドのアトラクションに乗る前のように・・・
構想中のレストラン「HICO」は、完全予約制コースを想定している為、いわゆるメニューブックというのは必要ないかもしれません。
ただ、独自性を出すために、世界のどこにもない独自のメニューBOOKを作りたいと思っています。
イメージは写真と文章で綴る季刊誌といったところでしょうか。
コースは春夏秋冬、季節ごとに変更する予定です。
年4回。
それぞれテーマを決め、それに基づき、製作します。
もし高尾山付近で開業するなら、近隣の風景から入るでしょう。
季節感を演出するのは誰もがやることですが、これは誰しも感じたいことですから外せません。
むしろ、自然環境の変化で四季のバランスが崩れかけている時代こそ、大事になると思います。
最初のテーマは「感謝」
さて、実際に『溶岩焼とカルツォーネの店HICO(仮)』のメニューBOOKをイメージしていきます。
開業して一番最初のコース料理のテーマは「感謝」です。
たとえば…春の季節。
メニューブックの製本、印刷はプロに依頼します。
今は低コスト、小ロットで受け付けてくれる会社がありますし、縮小社会においてはますます使いやすくなると思います。オンデマンド印刷というそうですが、ちょっと前では考えられないサービスがネットで簡単に手に入ります。
美しい写真と文章で丁寧に綴る
表紙は「感謝」というテーマを象徴する、シンプルながらも深みのある写真を使います。
たとえば中央に向かって奥行きのある道。神社の長い参道でもいいかもしれない。桜がほどよく咲いていたらベストです。
中央に「感謝」と浮かび上がるように刻印する。
ページを繰ると、背景は黒の混じった深みのある濃い赤に白抜きで「ようこそ、レストランHICOへ」。
さらにページを繰ると、石窯の中で炎が燃える写真、続いてお店の外観。桜。次に来るのは、ご来店頂いたことに感謝するメッセージです。美しい写真とともに簡潔に書きます。
それからまた、イメージ写真。ここまでで、8ページくらいになると思います。
それからレストランを開業した目的、今後どのようなレストランにしていきたいのかなど、丁寧に書きます。
このブログで掲載している「理念」や「目的」から多くを抜粋してこようと思います。
ただ、1ページに文章を固めません。4~6ページに渡って、写真とともに散りばめます。
ディズニーランドのアトラクションに乗る前のように
まだメニューには入りません。この段階までは料理の写真さえあまり使わないつもりです。
なぜか?
お客様の内的なプロセスがとても大事だと考えているからです。すでにお客様はご来店される意思決定をして、レストランに来ている。少なからず期待もしていただいていると思います。
「HICO」は完全予約制のレストランであり、ファストフード店やファミリーレストランとは違う。注文してすぐ提供されるスピードレストランとは真逆のコンセプトです。
だから、来店して頂いたらこれから始まるコース料理に対し、高揚感やワクワク感をどんどん高めて頂きたい。ディズニーランドやUSJで、アトラクションに乗る前に様々な仕掛けで世界観を表現するのと同じです。
待ち時間20-30分くらいならそう長く感じません。むしろ、早く乗りたい気持ちでどんどん気分はのってきます。
メニューBOOKの狙いの第一の目的は、まさに、ディズニーランドのアトラクションに乗る前のように、お客様にワクワクしてもらうことです。
料理コンセプト=食の信頼、安心安全を保証すること
第一の狙いは、コース料理に至るまでに写真や文章を駆使し、これから始まるコース料理への高揚感やワクワク感をどんどん高めて頂くことでした。
でも、いまの時代は検索すれば欲しいものはすぐに見つかり、買うこともできる。都内ならば1時間以内に配達してくれるサービスもできました。時代はどんどんスピーディーに、余計なものはそぎ落とされ、行き過ぎなくらい便利になってきています。
そんな情報爆発社会において、何ページ繰ってもメニューに辿りつかない程のメニューBOOKはまどろっこしく感じるでしょうか?
私は思います。
人の内的な時間はテクノロジーの進歩ほど早くはない。
このメニューBOOKはお越し頂いたお客様にとって、とびっきり贅沢な時間を味わって頂くために作ります。レストラン「HICO」での時間の流れ方は、日常とはまるで違うはず。
終わってみれば早いかもしれない。でも、火のゆらめきに安らぎを覚え、水の流れる音にこころ洗われ、レストランで過ごす時間はゆったりと過ぎていく。
そうした自然の流れを感じて頂ける空間なら、料理名を羅列しただけのメニューよりコンセプトが深まります。
料理コンセプト
さて、メニューBOOKの第二部は<HICOの料理コンセプト>です。
まだコース料理には入りません(笑)
レストランの核となる料理「カルツォーネ」と「溶岩焼」のイメージ画像を使いながら、次の3つを伝えます。
- 哲学・・・「HICO」にとって料理とは?
- 食材選び・・・どんな方針で素材を選んでいるか?
- 心得・・・どんな姿勢で取り組むか?
日本には古来から精進料理があります。精進料理では取り組む態度や込められた心を大切にする。洗練された技術で美しく作られた料理でも心が伴わなければ空虚になります。
道元禅師が説いた『典座教訓』という料理人の心得に「三心」というのがありました。
典座というのは、禅寺で料理係のことです。
- 一、喜心。料理をさせてもらえるご縁に感謝し、喜んで修行させていただく心。
- 一、老心。損得なしに限りない慈愛を注ぐように相手を思いやって料理する心。
- 一、大心。感情や好き嫌いなどで区別せず、偏りなく公平な態度で接する心。
料理コンセプトについては、明確に示しておきたい。いいかえれば、食の信頼、安心安全を保証することだからです。
お金を頂く以上、当たり前のことなのですが、当たり前のことを当たり前以上に、真摯に伝えるのは自分と社会への決意表明でもあります。表明した以上、自分も社会も絶対にだませません。
たとえ急な不幸があったとしても、常に高い基準で仕事ができると思うのです。
コストはしっかりかける
これで、コース料理に入る下準備はできました。
ここまでで「HICO」というレストランが普通のレストランではないな、と感じて頂けたら大成功です。もちろん、メニューBOOKはお客様に読むことを強要するものではありません。考えを押し付けるつもりもない。
ただ、手に取って読みたくなるような興味深い作りにします。そのための「世界のどこにもないメニューBOOOK」です。広告はほとんど出すつもりがありませんから、その分メニューBOOKにコストをかけます。
ミステリアスな料理名
春のコース「感謝」。一部の料理は、抽象的なネーミングにします。
特に核となるカルツォーネや独自性の高い料理は、ネーミングだけではどんな料理かわからないようにします。以前、2022年のレストランイメージで「白い爆弾」というカルツォーネを作りましたが、そういうことです。
メニューを見て注文してもらうスタイルならすぐにイメージできるメニュー名にすべきでしょう。ただ当店は完全予約制ですし、長いあいだ記憶に残ることを価値であると考えています。
コース料理を味わう前はどんな料理だろうとワクワクして頂き、しばらく経って思い出す時は、どんな料理だったかな、、、と具体的な料理名よりも深く追体験して頂く。他と比較しようにも比較できません。
同じようなスタイルでカルツォーネを出しているお店があったとして「ホワイトソースのカルツォーネ」と「白い爆弾」。提供している料理は同じでも、比較が困難になります。核となるカルツォーネや独自性のある料理を抽象的にするのはそのためです。
情報爆発社会において、何もかもオーブンにしてしまえば面白くありません。ミステリアスな要素がないと人は飽きてしまいます。
わかりやすい料理名
食材自体に特色がある料理は、食材自体を際立たせて、むしろわかりやすく具体的にします。たとえば、「友人の漁師○○君が釣ってきた○○産のメバルをカルパッチョで」。
料理としてはただのメバルのカルパッチョです。でも、友人の漁師が一本ずつ釣り上げて、活け締めして、丁寧に血抜きしたメバルは、ただのメバルではありません。
その食材そのものの味が確かであるのは当然ですが、物語があります。
メバルのカルパッチョはどこにでも出せますが「友人の漁師○○君が釣ってきたメバル」は、どこにでも出せる料理ではない。抽象的でミステリアスな料理と、具体的でわかりやすい料理と、バランスよく構成したいと思います。
何が何でも紹介したい食材
また、メバルのように特色のある食材は、メニューBOOKの中でクローズアップして紹介したいと思います。写真と文章を駆使して、どんな海で、どんな船で、どんな人が、どんな風に獲ってきた魚なのか、ということですね。
写真と短い文章で、数ページに渡って紹介します。
野菜でもそうです。たとえば、高尾山近郊で作っているトマトがあったとします。ただのトマトであっても、人の想い、育て方、気候条件、環境によって、それはただのトマトではなくなる。ページを割いて紹介するのは、そんな物語のある食材です。写真もたくさん使用して、本来の価値をどんどん高めていきます。
カルツォーネと溶岩焼
「HICO」の核となるメニュー「カルツォーネ」と「溶岩焼」については、しっかり説明します。
カルツォーネならば、石窯のことから、生地のこと、カルツォーネの魅力、HICOの独自性、通販のこと。溶岩焼ならば、炭焼きにはないメリット、Tボーンステーキについて、自分で焼く楽しさなど、語れるところはたくさんあります。
ここはじっくり書きますが、コース料理を召し上がる前に、是非とも読んでいただきたい部分ではありません。理想は、コース料理がはじまり、料理と料理のあいだで読んでもらえたら、と思います。もしくは食事が終わって、コーヒーを飲みながら。
だからメニューBOOKとは別冊子にしても良いかもしれません。
先を読んで行動する仕組みづくり
「溶岩焼とカルツォーネの店 HICO(仮)」では誰もやらないことにコストをかけていきたいと思います。理由は、繰り返すようですが、戦わずして勝つため。
情報爆発社会で、人と同じようなことをやっていては100年存続なんて無理だと思います。また、簡単に真似されるのも避けなければなりません。メニューBOOKに力を入れるのはそれが理由です。
ありふれたメニューは作らない。たとえ資金力があっても「HICO」にしか出来ない内容とアートを盛り込みます。
さて、第一段階では、お客様にワクワク感を。第二段階では、信頼と安心・安全を。第三段階でようやく、コース料理について触れました。第四段階はどうするかというと、予告です。
次のテーマの「予告」
コースは春夏秋冬で変えていきます。
年4回。春のメニューBOOKには、夏の予告を。夏のメニューBOOKには秋の予告を、秋のメニューBOOKには冬の予告をしていこうと思います。
予告というのは、レストランが今後どうしていくか?ということです。もちろん、またのご来店を促す広告的な役割もあるのですが、それ以上に、先々のことを否が応でも考えざるをえない仕組み作りとなります。
先を読んで、今の行動に落とし込むのと、いつも今に追われて、目先のことしかできないのとでは、天と地の差があります。
具体的には、次のテーマを決めてしまいます。イメージ写真も撮影しておく。
コース料理を考えるのは結構たいへんですから、先手を打っておかないと、一生忘れられない美味しい記憶なんて創れるはずがありません。私には一朝一夕に作れる料理の才能はない。
でも、しっかり考えて、思いを込めればそれなりのものは作れます。
メニューBOOKはプレゼントするか?
これでメニューBOOKとしてはかなりのページ数になるでしょう。各コンテンツで10ページずつ割いたとして、40ページ。A4でフルカラー。紙質は厚めの良い紙を使います。
文章は、このブログから抜粋することが多くなると思います。そのためにも書き溜めておかないと(笑)
ひとつ、迷っているのは、メニューを持って帰れるようにするかどうかということ。お客様が持って
デジタルメニューBOOK
デジタルメニューは今や、珍しくありません。回転ずしでもタッチパネルで好きな寿司を注文できるし、焼肉や大手ファミレス、居酒屋チェーンでも一般的です。
小規模店ではどうか?
今はまださほど普及していませんが、今後、増えてくる可能性はあります。ただ、単価の高いお店ほど、導入する気はさらさらない感じですね。安っぽくもなりますし、大手のようにメニューが固定でなかったり、料理写真やそもそものインフラが整っていないでしょう。
高級店なら、サービスマンとの会話でオーダーが成り立つことを強みにするお店も多いと思います。
タッチパネルで注文できるのは楽ですが、味気ないものです。感覚ではありますが、スタッフと「今日のおすすめは何?」と話しながらメニューを決めていきたい方は一定数いて、その数は少なくないでしょう。
世界初のデジタルメニュー
デジタルかアナログか、どちらかではなく、双方の良さを活かしたメニューBOOKは作れないか?
デジタルでは画像や動画などを使って、訴求力を高めることができます。それに、どの料理がどれだけオーダーされたか、データベースを容易に集めていける。
アナログメニューの強みは、独自性を出しやすいこと。イラストを描いたり、黒板でアンティークな感じにしたり、それこそ写真集のようにしたり、創意工夫してオリジナリティを演出できます。
そして、サービススタッフとのコミュニケーションも生まれやすい。
ネーミングや見せ方によっては、この料理はどんな料理なんだろうと、想像力を掻き立てられワクワクさせることもできる。
BOOK式にする
いま考えているアイデアは、A4サイズくらいの見開きで、BOOK式。
具体的には、カラオケで曲選びするようなタッチパネル式ではなく、見た目はアンティークな木目調のBOOK式で、開くと見開きでタブレットがある感じです。すると、プロモーション動画がスタートする。
背景は黒。
ゆっくり浮かび上がる「ようこそ、レストランHICOへ」。高尾山の美しい四季折々の動画や、湧き水、鳥、焚火・・・自然の風景が流れ、その中で野菜、魚、肉など食材がよく切れる包丁できれいに調理されていきます。
石窯の炎、フライパンを振る料理人、サーブすれた料理、注がれたワイン。
帰りたいと思っていただけるくらいのものを作るつもりですが、どこまでお応えできるか。今の段階では、ひとつのテーマが終わり、次の季節のコースになったときに、その前のメニューBOOKは差し上げようかなと考えています。