イタリアン寿司。そんなジャンルあるんですか?と思われるかもしれません。
ないです。でも、一部のイタリアンレストランでは、節分にイタリアン寿司を棒寿司にして販売したお店を知っていますし、クックパッドなどのレシピサイトでは、作ってる方もいますね。専門店はまだ、ありません。
イタリアン寿司には、伸びしろがある
専門的にやっているお店はないですし、そもそもそうしたコンセプトで提供している店も多くないはずです。イタリアンと寿司を無理やり合わせなくても、、、というご意見の方は多いでしょう。
それに持続性を考えた時に、長続きするか?疑問です。それでも候補にあげたの伸び代を感じるからです。
寿司は、どうも古いスタイルにこだわりすぎな気がします。新しいことに挑戦しているのは、回転ずしの業態でしょう。老舗の寿司屋ではやらないことをやっています。
でも、怖いことに、寿司の場合、新しいことをやると、非常に安っぽくなる。たとえばネタに、トリュフとフォアグラを使い、軍艦寿司を作るとします。それで一貫1000円。どうでしょうか、高く感じますか?
これが当たり前の値段になるような環境が整えば、もっと寿司にも新しい試みがなされていくと思うのですが、もうひとつ、発展しません。その分、伸び代はあると思うのですが。
イタリアン寿司って、たとえば?
たとえば、しゃりにアンチョビを混ぜ込んだり、バジルやチーズを合わせたり、ネタは魚貝のカルパッチョから、カツレツ、それこそフォアグラなんかも面白いと思います。リゾットにして、軍艦にしてもいい。
こんなメニューはどうでしょう?
北海たこぼっつのジェノバ風
バジルペーストをシャリに混ぜこんで、たこの頭部分をネタに。
バッカラ軍艦
バッカラ(干し鱈)をミルク炊いてすりつぶし、粗めのペーストにしたものを軍艦巻に。
イタリアンイカ寿司
イカスミを混ぜ込んだシャリと、マリネしたイカをネタに。
ロッシーニ風イタリアン寿司
フォアグラと牛フィレ肉を挟み込んだ贅沢な一品。
結構、付加価値をつけて、なおかつ、安っぽくならないようにできるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
牛のしっぽより鶏のクチバシは目指せる
大企業の下っ端よりも、小さくても社長の方がいい。そんなもののたとえで、牛のしっぽより鶏のクチバシ、なんていいます。これは市場原理も一緒のようです。
大都市東京でレストランをやると、トップに立つのはとても難しい。でも、競争相手の少ない田舎なら?頑張ればトップを獲れるかもしれません。
そもそも、市場規模の少ない分野で、先駆けとなれれば、鶏のクチバシです。カルツォーネも、イタリアン寿司も、カルボナーラ専門店も、そうしたところから発想しました。
大企業がやらないこと
これから意識的に考えたいのは、大企業がやらないことです。
私自身はレストラン運営経験はありますが、歴史もなく、弱小中の弱小。でも、だからこそ、大企業や大手には出来ない、動きが出来る。料理の専門化、パフォーマンスの独自性。手紙。器。メニューブック。サービス。お土産。。。
目指せ、鶏のクチバシ!尖らせて、業界に風穴あけてやりましょう。
海外を意識したメニューつくり
イタリアン寿司を含め、今後、組んでいくプランには海外からの視点を入れていかないとだめだと思っています。理由はもちろん、国内の需要というのは少なくなる可能性が高いからです。
これから日本は、未曽有の少子高齢化社会の真っただ中となる。人口は減り、国内の消費活動は規模がどんどん縮小していきます。幸い、日本は観光地として海外からの人気も高い。その理由のひとつは、サービスが良い、ということらしいです。国内の普通のレストランでは、サービス料、いわゆるチップは発生しません。チップを払う習慣は海外では当たり前ですが、国内にはないのです。
だから海外の人からすると、日本のレストランは、チップもなしで、よくここまでサービスしてくれるものだと、感心するのだそう。なんとなく、見下されている感がありますが、対等に考えているからこそかもしれません。報酬が発生する比較の中では、公平です。良い仕事をすれば、お金がもらえるし、そうでなければ、それなり。
料理人やサービスマンの価値を下げているのはむしろ、自分たち自身を安く見積もりすぎなのかもしれない。海外の視点で見ると、そんな風にも思える。いずれにせよ、海外からのお客さんを取り込むにはどうするか?お店創りには欠かせない視点であることは間違いありません。
イスラム文化圏では、肉禁止??
宗教はきちんと把握しておかないとなりません。特に、アジアはイスラム文化圏の方も多いですから、HALAL(ハラル)については知っておくべきでしょう。豊かな周辺国からの外資を入れてこようと思えば避けられない。2100年には、世界で最も信仰される宗教は、キリスト教からイスラム教になるようです。
HALALはイスラム教で許される食事。たとえば、イスラム文化圏では、牛をたべてはいけません。ただし、例外があるのです。なんと、祈りを捧げられた牛ならば、食べても良い。その牛はHALAL認証を受けた牛肉であり、イスラム教徒へも提供できます。
近隣のアジア諸外国には、私たちの想像を超えた財産を持つ人がたくさんいます。そういう人たちがイスラム教を信仰していて、経済を左右することを考えると、そうした備えはしておいた方が良いでしょう。まだまだ日本には、HALAL対応の飲食店は非常に少ない。何年か経てば、対応していないお店は選ばれないので、業績を落とすことも多いに考えられます。
決定してはいませんが、頭に入れておきたいと思います。