白いやつの正体とは?
魚や肉を上手に料理するには、たんぱく質の理解が欠かせません。
たんぱく質をどう料理するのが適切か学んでいる中で、ふと疑問に思うことがありました。
魚を焼いた時に表面に現れる白い塊。
時には液や泡のような<白いやつ>が出てくることがあります。
しかも出ない時と出る時とある。
冷凍したものに多い気がしていましたが、それは正しいのか?
調べてみました。
白いやつの正体
たとえば鮭を焼いた時わかりやすいですね。
表面に白い固まりが浮き出てくることがあります。
たんぱく質の一種だろうという推測でしたが、それは正解。
「アルブミン」というたんぱく質がその正体でした。
アルブミンについて
このアルブミンというたんぱく質は、人のカラダにも含まれています。
成人の場合アミノ酸を原料として肝臓で一日に6g~12g作られ、血液中に入るようですね。
その後、筋肉や皮膚へも分散します。
血液中の55%を占める血漿(けっしょう)のたんぱく質のうち、60%はこのアルブミンだとか。
卵白の主要タンパク質もアルブミンだそうで、焼くと白くなるのは、なるほど、アルブミンの影響なんですね。
白いやつが出ないようにするには?
この現象を防ぐには、焼く前にアルブミンを溶かすか、65度以上に加熱しないか。です。
溶かすにはどうするか。
魚の重量比で5-10%の塩水に20分漬けます。
するとアルブミンは水に溶ける可溶性たんぱく質ですので、水中に溶けでます。
ちなみに水に漬けると、浸透圧の関係で魚が水を吸って、アルブミンでなく旨みも溶けでてしまいます。
だから塩水でなければいけません。
この塩水漬けの調理工程をブライニングといいます。
一夜干しを作るときに「立て塩」で下味をつけますが、それと似ていますね。
冷凍魚と白い塊との関係
アルブミンが凝固する温度は、65度。
それ以上の温度にならなければ、白いやつはでません。
冷凍したものから出てきやすいのは、温度の関係なのです。
冷たい状態から急激に温度を上げると表面は65度以上になるが、中はまだ焼けてない。
また、加熱されると魚肉中の筋繊維が収縮し始めます。
すると身に含まれているアルブミンが、筋線維に押し出されて出てくる。
ということは、ゆっくり火入れしていくと、白いやつは出にくいということです。
低温調理だと出てこないのはそれが理由なんですね。
ドリップも理由の一つでは?
もうひとつ、考えられるのは冷凍魚の場合、冷凍技術が低かったり、解凍を下手にやると、ドリップが出てしまいます。
ドリップというのは、冷凍することにより細胞間の水分が膨張して固まり、冷解凍時に細胞膜を破って、たんぱく質を含む魚の旨み成分が流れ出てしまった水分のこと。
これにより表面に付着したアルブミンが、熱に触れやすくなり、中心に火が通る前に凝固する65度に達する、ということが考えられます。
それも冷凍魚で白いやつが出やすい理由でしょう。
いずれにしても、ブライニングすることによって、アルブミンを溶かすか、低温調理すれば、白いやつは出てこないことがわかりました。
コロナショックにより、人の暮らしから考え方、働き方は大きく変わるのでしょう。
どうなるのか?というよりも、どう生きたいのか?
たいせつな人たちと楽しく人生を送る為に必要な資産と、生き方を、ない頭で頑張って考えてます。あなたのお役に立てれば幸いです!