魚を究める

なぜ、養殖ブリは変色しないのか?

養殖のブリやハマチがスーパーや回転すしに並ぶようになって久しいですね。

それにしても、不思議じゃありませんか?

養殖ものを見慣れてしまうと、天然もののブリを見た時に、どんなに鮮度が良くても「色が悪い」と感じます。

同じ魚種なのに、どうしてこうも色が違うのか。

それには、からくりがありました。

養殖ぶりの血合が赤い理由

養殖のブリやハマチは、血合い部分が鮮やかな赤色をしています。

ややピンクがかってる場合もある。

原因は、2つ考えられます。

ひとつは、餌(えさ)

実は、ブリやハマチだけでなく、魚の血合の赤色を保たせるのは課題でした。

魚が死んで時間が経つと、酸化して、茶色っぽくなってくるのです。

その根本の原因は、血合肉を構成する赤色のたんぱく質「ミオグロビン」の変性。

ミオグロビンは酸素と結合すると「オキシミオグロビン」となり、この時が最も鮮紅色になります。

さらに酸化すると「メトミオグロビン」に変わり、褐色化します。

ということは、酸化しにくくすれば、褐色化は防げる。

そこで餌に抗酸化物質、カテキンやポリフェノール、ビタミンCなどを加えた餌を与え続けたところ、改善されました。

そしてさらに、アスタキサンチンという、海老や蟹の色素に含まれる成分を配合したところ、より鮮やかな赤色になってのです。

もうひとつは、一酸化炭素

一酸化炭素は、酸素よりもミオグロビンと協力に結合し、「カルボキシミオグロビン」となり、色合いは鮮やかな赤色となります。

これが、酸素と結びつくよりも安定するんですね。

実は、こうした技術は日本では昔から知られていて、マグロやカツオでも一酸化炭素処理することがあったそうです。

しかし、1週間たってもその色合いを保つため、消費者が鮮度の判断を誤り、食中毒の原因になりかねないことから、ご法度となりました。

現在、一酸化炭素処理をした魚は出回りませんが、一部の養殖場ではこれに似た処理をしているところがあるという噂があります。

あくまで、噂で、真偽のほどはわかりません。

天然ぶりの色合い

養殖に比べると、天然ものの色合いは、くすんだように見えます。

しかし明るすぎる部屋よりも間接照明の部屋の方がその陰影に深みが出るように、味わい深い趣があります。

まあ、その辺りの感じ方には個人差がありそうですが。

また、鮮度によって、変色しやすいのも大きな特徴です。

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色持ちをよくするにはどうするか?

では、少しでも色もちをよくするには、どうすればいいのか?

これが実は、あまり広く考えられていない課題です。

ブリの血合が褐色する根本の原因は、ミオグロビンの変性でした。

酸素と結合することで、メトミオグロビンとなり、褐変します。

じゃあ、抗酸化作用のあるものと合わせて、酸化を防げばいい。

理論的には、こういうことです。

いちばん簡単な方法

誰でも出来るのは、捌いて新鮮なうちに、オリーブオイルでマリネしてしまうことです。

オリーブオイルには、オレイン酸という抗酸化物質が含まれているので、褐変を防ぐことが出来ます。

考えてみれば、イタリアでは、イワシなどの青魚をオリーブオイルに漬ける文化がありました。

なるほど~、ですね。

しかし、オリーブオイルだと、カルパッチョにするなら良いのですが、どうしても刺身で食べたい場合には向きません。

秘策

これは、オリジナルアイデアです。

他のどこにも書いていないことだと思います。

秘策、というほどのことでもないのですが、まず塩分濃度1%くらいの塩水を用意して、そこにレモン、あるいはお茶の粉末を入れます。

その液に漬けとくのです。

塩分濃度1%にするのは、魚肉の塩分比率を合わせる為。

もし、それより塩分濃度が高いと、魚の方に塩が入ってしまいますし、逆に塩分濃度が1%より低ければ魚の塩分が旨みと一緒に流れ出てしまいます。

天然VS養殖、どちらが旨いのか?

色身の話はわかった。

で、天然と養殖、どちらが美味しいのか?

私は、断然、天然派です。

特に脂の乗った天然ものに、養殖は逆立ちしても勝てない。

天然ものは、色合い同様、脂に深みがあるばかりか、身がしまり、舌触りもきめが細かい。

人工的に付与された栄養では、なかなかこうはいきません。

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HICO
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ほんの小さな感動が、誰かの人生をちょっと変える。そんな食体験を通して人類に貢献することが僕の使命です。目標は「100年レストラン事業」。お金も才能も人脈もありませんが、実現させるために日々、愚直に考えていることを綴ってます。
人生のアフターコロナ対策、お決まりですか?

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