リスクの時代。
1つの失敗が取り返しのつかないことになるかもしれない。
お客様にこぼしてしまった、一滴の赤ワインのしずく。
対応を間違えば、お店をたたまざるを得ないほどの損害賠償にまで発展する可能性も考えられます。
大袈裟だと思われるでしょうか?
でも、そんなことが起こらないと誰が言い切れるでしょう。
最悪を想定していれば、いざ事が起こった時に、ベストな判断をできます。
焦って、誤った判断をしてしまえば、再起不能になるかもしれない。
そうならないために、危機管理ノート(仮)を作ろうと決意しました。
危機管理ノート(仮)
そこに何を書くか?
まずは、考えうる限り最悪の事態を想定して箇条書きします。
・ヤクザの親分が美女2人とペットを連れてきたらどうする?
・営業中に親が倒れたらどうする?
・急な自然災害に見舞われたらどうする?
・銃をもった強盗が入ってきたら?
・・・・・
こうして列挙していくわけです。
目的は備えする事
大規模な自然災害はいま、全国各地で発生しています。
いま国内で「絶対に安全」な場所なんてないでしょう。
地震、台風、大雨、火災・・。
それぞれ、対処の仕方が違います。
危機を箇条書きにしたら、それぞれについて、どう備えするか、考えます。
具体的には、いまから準備しておくことと、事が起きてからすることに優先順位をつける。
行動を決めておく
たとえば、1週間停電した場合に何が必要か?
どんな心構えをもつか?
どの順番で、行動するか?
そうしたことを、あらかじめ、決めておきます。
危機管理ノート(仮)に書くことによって、それができる。
人材育成も含める
危機管理ノート(仮)としたのには、わけがあります。
そこには、顧客対応だけでなく、人材育成についての対応も書こうと思ってるのです。
たとえば、スタッフから突然「正しさって何ですか?」なんて言われたら、答えに窮しませんか。
別に答えられなくてもいいかもしれませんが、魅力あるレストランであるためにはそうした哲学を持っておいた方が良いと思うのです。
明確な根拠があって、それが経営理念に繋がっていると、スタッフも安心して働けるでしょう。
「働くってどういうことですか?」
「なぜお客さんの為に頑張るんですか?」
「10年後、どんなレストランにするんですか?」
そんな質問にはっきりと答えられる経営者じゃないと、不安ですよね。
どれだけ未来を想定できるか?
危機管理ノート(仮)を書いていくということは、どれだけ未来を想定できるかでその質と深さが決まります。
的外れな想定なら意味がないし、未来を想像できなければ、どのような項目があるのかさえ浮かんできません。
では何が必要かというと、勉強ですよね。
5つの分野を知る
歴史、経済、文化、宗教、政治。
恩師は、この5つを常に学んでおくようにと言っていました。
未来を想定するには、歴史を知るのが近道なんだそうです。
理由は、ある一定の周期で歴史は繰り返すから。
経済や政治を知らなければいけないのは、歴史が繰り返すとわかっても、どう紐づくかが経済や歴史を知らないとわからないから。
文化、宗教は、グローバル社会において、必須です。
今後のレストランでは、お客さんを日本人だけに絞ると立ち行かなくなるでしょう。
海外の人にも来てもらわなくてはいけない。
そうした時に、自分はどういう考えを持っているか、相手にはっきり伝える力を求められます。
その上で、互いを尊重し合えるような器と知識をもっていないと、一流のサービスはできないでしょう。
人として一流であれ
そうして未来を想定し、リスクを洗い出し、あらかじめ備えをしていくことで、人間が磨かれると思います。
AI、ロボットにない力は、人間力。
人として一流であれば、周囲からもう一度会いたい、もう一度、あのレストランに行きたい。
そう思ってもらえるんじゃないかと思います。
危機管理ノート(仮)を通して、そんな人間としての魅力を磨いていきたい、というのも目的のひとつです。