ナポリタンのルーツと、ナポリタンを美味しく作る3つのポイント

ナポリタン

ナポリタンのルーツはご存じでしょうか?

ナポリタンに対するイメージは、世代によって若干のズレを伴いながらも、どこか懐かしさを感じる方が多いのではないでしょうか。私が子供の頃は、弁当の片隅に入っていましたし、ファミリーレストランでお子様ランチを注文すると、ハンバーグと一緒についてきました。

ここでは、ナポリタンのルーツから、作って美味しいナポリタンの3つのポイントを解説します。

目次

元祖ナポリタン

ナポリタンは、本格的なイタリア料理店ではなく、喫茶店で供されるナポリタンが、その代表となりそうです。作家、浅田次郎氏は、エッセイの中で書いてます。

正統のナポリタンは、アルデンテなどであってはならぬ。きのう茹で上げて冷蔵庫に眠っていたような、ブヨブヨのスパゲッティが好もしい。それを少々のタマネギとウインナソーセージの薄っぺらな輪切りと、真赤なトマトケチャップで炒める。

アルデンテなどであってはならぬ」とここがナポリタンの肝のようです。

要は、茹で上げではなく、茹で置いたパスタから作らねばならないと。そして焼きうどんのように、汁気が飛ぶまで炒めるのが昔の作り方のようです。

ナポリタンのルーツ

ナポリタンは、戦後、進駐軍のアメリカ文化が入ってくるのと時同じくして、広まりました。

考案したのは、神奈川県の横浜山下町にあるホテルニューグランド第2代総料理長、入江茂忠氏という人だったといわれています。入江氏は、進駐軍の兵士が食べる具なしスパゲッティの粗末さを「芸が無い」と考え、生トマト、タマネギ、ピーマンとハムの細切れ等を入れたスパゲッティをつくりました。ただ、ケチャップは使っていなかったようです。

この時、7割方茹でたパスタを冷まし、5時間以上放置した上で湯通しすることで麺のもっちりした食感に仕上げる工夫は、入江氏の功績とされています。

でも、それはまだ本格的なイタリア料理店が日本に広まる前に流行した時の話。ブヨブヨの麺では、美味しく感じられない人も多いかもしれません。個人的な好みで言えば、うどんのようなスパゲッティではデュラムセモリナ子小麦の風味があまり感じられないので、私は茹でおいたブヨブヨ麵ではなく、アルデンテまでいかずとも、ゆで上げのやや歯ごたえの残る感じが好み。

そこで、浅田氏のナポリタンの定義から外れたとしても、料理として、ブヨブヨ・ナポリタンではない「美味しいナポリタン」の作り方を考えてみましょう。

創作ナポリタン

ここから先は、あくまで好みの話になります。ブヨブヨ・ナポリタンが好きな方には向きません。ただ、ナポリタンは、茹で置きではなく、茹で上げでも美味しく作れるのは事実。

まずベーコンを弱火で炒めて、脂を出しながら、そこへスライスした玉ねぎ、次いでピーマン、缶のマッシュルームを放り込み、炒まったら白ワイン、ケチャップ。これでソースの完成です。

そこへ茹で上げたパスタを入れるのですが、ナポリタンには細いパスタは合いません。少なくとも1.7mm以上のパスタがよろしいと思います。ソースが濃厚なので、細い麺だとパスタが負けてしまう。個人的には、1.8mmがベストかと思ってます。

パスタの茹で方に注意

それと、ゆで時間。メーカーがゆで時間の目安として表示する時間ぴったり~15秒ほど長めに茹でるのがポイント。通常のトマトソースですと、1分ほど前に上げて、アルデンテに仕上げますが、ナポリタンばかりは、やはりしっかりめに茹でた方が旨い。

ナポリタンはケチャップを使用するので、ソースの濃度が濃いんですね。通常のソースに比べ、水分が少ないのです。そのため、アルデンテ気味の状態であげてしまうと、麺がソースの水分を吸おうとするので、べたッとしてしまうんですね。これは、レシピにもよりますが、カルボナーラも同じです。

とはいえ、ソースと会えてからモタモタしてたらいけません。バターと粉チーズを加え、菜箸やトングでしっかり混ぜ合わせて、バターが溶けたら器に盛って、完成。濃厚な、ナポリタンに仕上がります。

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ナポリタンを美味しく作る3つのポイント

あくまでも、好みによりますが、私が好んで作るナポリタンはこんな感じです。ポイントは3つ。

①パスタは1.7mm以上のものを使うこと。

②表示時間ぴったり~15秒くらい、しっかり茹でること。

③バターと粉チーズでしっかりあえること。

ソースについて、詳しく言及しませんでしたが、アレンジでトマトピューレを加えるとプロっぽい仕上がりになりますよ。伝統の湯でおいたブヨブヨ・ナポリタンも良いですが、茹で上げナポリタンも魅力。

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