出張料理のスペシャリテ「たこぼっつのジェノベーゼ」
昨日『溶岩焼とカルツォーネの店HICO』における、料理の設計5大要素について書きました。
おさらいすると、
1.デザイン・・・思わず写真を撮りたくなるようなデザインか?
2.香り・・・食べる前から食欲をそそる香りを放っているか?
3.味わい・・・五味(「甘味」「酸味」「渋味」「塩味」「旨味」)と食感の表現バランスはどうか?
4.価格・・・その料理に自分なら最高、いくら払えるか?
5.独自性・・・どこかで見たような、食べたような料理になっていないか?
これをもとに、出張料理のスペシャリテとして有力候補の「たこぼっつのジェノベーゼ」を設計、検証していきます。
デザイン
料理名は「たこぼっつのジェノベーゼ」ですが、後で、もう一歩、深く考えます。
まずどんな料理か簡単に説明すると、北海たこの胴体を薄くきしめん状にスライスし、大葉とバジルをペーストにしたソースと合わせた料理で、そこへモッツァレラチーズやクルミをアクセントで加えています。
根本のデザインは、相性の良さからいっても、トマトの中に詰めるのが良いと思っています。
盛り付けは、思わず写真を撮って、facebookに載せたくなるようなデザインか?を考えます。これは、実際に試行錯誤してやってみないとわかりません。これから実験と検証を重ねていきますが、下手をすると、ありがちなフレンチ創作料理っぽくなります。
あえて、これまでの発想を壊して、一から考えることも必要かもしれません。
香り
大葉を使ったジェノベーゼソースはとても爽やかで、すがすがしい香がします。
ジェノベーゼソースとはもともと、バジル、にんにく、松の実をすりつぶし、オリーブオイルを加えてペースト状にしたもの。そこへ、大葉もペースト状にして加え、タコがより、爽やかに引き立つように工夫したのが、HICOのジェノベーゼソースです。たこ特有の香りとも相性が良いんですね。
ということで、香の基準はクリアしたと考えます。
味わい
五味(「甘味」「酸味」「渋味」「塩味」「旨味」)と食感の表現バランスはどうか?
甘味で強調したいのは、北海たこ特有の甘さです。真だこよりも甘味も旨みも強いと思いますので、それを引き立たせるために、ジェノベーゼソースにほんの少し、レモン果汁を加えます。これが甘味と酸味のメインの構成。
渋味はこの料理に表立って感じませんが、ローストしたクルミと、オリーブオイルから来る香ばしい渋味は、より味わいの構成を深くしてくれるように思います。
塩味は、たこにも含まれますので、調味料としての塩は極力抑えます。
旨味の表現は、狙いとしては、たことトマト、オリーブオイル、モッツァレラチーズにより、コクを持たせ、奥行きを出すイメージです。
これらのバランスは、全体的にまとまっていると思うのですが、実際のところ、どうでしょう。今のところ、満足できるレベルですが、もっと、旨い!と確信をもっていえるまで、高めていきます。
食感
味わいの中で、食感も大きな構成要素のひとつです。
ローストクルミとモッツァレラチーズを入れたのは、この料理になかった、渋味や、旨みの相乗効果をプラスするためでもありますが、もうひとつ、食感を加えたかったのもあります。
柔らかく弾力のあるたこの食感だけでは、単調すぎると思ったのです。こうした食感の不均質さをヘテロ感と呼ぶそうですが、そのバランスにより、美味しく感じることがあるのだそうです。
ただ、もっとふさわしい素材があるかもしれない。ドライフルーツとかどうかな。色々、試してみます。
長くなったので、価格と、独自性については、改めて考察を深めます。
>>>HICOならではの料理設計をする②へ
コロナショックにより、人の暮らしから考え方、働き方は大きく変わるのでしょう。
どうなるのか?というよりも、どう生きたいのか?
たいせつな人たちと楽しく人生を送る為に必要な資産と、生き方を、ない頭で頑張って考えてます。あなたのお役に立てれば幸いです!