驚異の閉店率
ご存知でしたか?
開業して3年、持続できる飲食店は50%。
5年となると70%のお店が閉店します。
これは、2013年~2018年の統計データですが、これからは下の3つの理由により、ますます厳しくなると予測されています。
●人手不足
●原価高騰
●差別化戦略
その根本にあるのは、超高齢化と、人類未踏の縮小社会。
確実に減少する国内マーケット
2025年には3人に1人が65才以上。
人口は、1億2千万人を下回ることがほぼ確定しています。
飲食店のマーケットは確実に小さくなります。
当然ですよね。
消費意欲の高い世代が少なくなるだけでなく、人口そのものが減っていきます。
現在60万件以上ある飲食店はどうなるか?
2030年、飲食店を利用する人数
「外食に対する消費者意識」という面白いデータがあって、それによると、60歳以上はほとんど外食しない、もしくは半年に1~3回という人が36%以上を占めるのだそうです。
2030年、65歳以上の人口想定は、3,684万人。
一方、生産年齢人口(15~64歳)は、6,773万人。
仮に、6,773万人が全員、飲食店を利用するとしても、飲食店の件数が60万件ならば、一軒あたりに割り振られる人数は112人。
112人が毎日、外食すればいいですが、まずありえません。
平均して月2回としても、一軒当たりの来客数は月間240人。
もし客単価が3000円だとすると、月商は72万。
これでは、やっていけません。
さらに深刻化する人手不足
現在も、飲食店は深刻な技術者不足を抱えるお店が急増してます。
その上、働き方改革により、最低賃金は上がってますし、残業もさせることはできません。
残ってでも自分のスキルの為に学ぶ、ということができないので、技術の継承が大事な飲食店にとっては、非常に頭の痛い問題だと思います。
今後、超高齢化と、人口縮小による物理的なマーケットの縮小により、ますます、激しくなるのは明らかです。
そういう中で、どうすればいいのか?
明確な答えは、見つけにくい状況です。
ただ、ひとつだけ言えるのは、考えうるリスクをあらかじめカバーしようとしているお店は、安定して利益を出しているという事実。
人手不足ひとつとってもそうですが、それを見越しての生産性向上と仕入改革をされているお店は、焦らず淡々と、未来を見据えておられます。
逆に、日々の仕事に追われ、値下げ一辺倒のお店は苦戦されてるように見受けられます。
食材は上がり続ける
追い打ちをかけるのは、食材原料の高騰です。
海産物は、間違いなく上がるでしょう。
他国の乱獲と、気候変動、環境変化により、確実に資源は減っています。
日本の食料自給率は38%。
日本は62%も海外から食材を輸入して成り立ってるわけです。
そんな中、資源は減り、国際競争力が落ちてきて、円の価値が下がったら?
輸入品は高くて手が出なくなります。
そして国内品も多くは海外へ流れるようになるでしょう。
理由は、国内より高く売れるからです。
これは大変なことになります。
激動の時代に、いま、何をすればいいのか?
こうした時代に、どうすればいいのか?
100年持続するレストランを創るのが目的の私としては、何かしら手を打っておかないといけません。
在庫を持つ
単純に、いかに食材の在庫を持てるか?
というのは大事になってきます。
食材の価値が今よりずっと、高くなるのは間違いないからです。
だから、高騰する前にとっておく。
持続性のある食材を中心に組み立てる
持続性のある食材を中心にメニュー構成や、看板料理にしておくこと。
天然ものが素晴らしいのは分かってますが、それだけに拘っていると仕入れそのものが困難になります。
魚であれば、養殖できる魚、もしくは、生態系の頂点に立つ魚種。
たとえば、ある湾ではたこが生態系の頂点にいる場合があります。
捕食される心配がないので、比較的持続性がある。
少数精鋭の組織を作っておく
人手不足の時代では、仕事のできない人がかえって増えるのではと思っています。
いまもその傾向が出てきてますが・・。
いかに意思の疎通をスムーズにでき、協力関係を築けるチームを作れるか?
それ次第で、収益が大幅にかわると考えてます。
インバウンド市場に対応できるようにする
国内マーケットが小さくなりますが、インバウンド需要は拡大する可能性があります。
より収益を上げようとすると、ここに挑戦しない手はありません。
富裕層に喜ばれるサービスをする
同時に、少ない客数でも収益を上げれるように考えておくべきです。
それには、富裕層のお客さんにきてもらわないと難しいでしょう。
たとえ、月間240人しかこないとしても、客単価が10万円ならば、2400万です。
2000円の客単価とは雲泥の差です。
そのかわり、料理もサービスも、何もかも、相当レベルが高くないといけません。
どうすればそこまでいけるか?
それが私の今の挑戦です。