ビジネスでは、交渉の場面に出くわすことが多々あります。
交渉は、多くの場合、相手の利害とこちらの利害が一致しない場合に、おこります。
仕入れ先から、魚を仕入れたいが、少しでも安くしたい。
一方、販売側は、少しでも高く売りたい。
真っ向からぶつかります。
この交渉で優位に立つ方法はあるのか?
相手の立場に立つ
相手が何を考えているか。
相手の立場にたって、考えないとわかりません。
推測で行動してうまくいくほど、世の中、甘くない。
私もそれでずいぶんと洗礼を受けてきました。
相手の立場に立つことは繰り返し述べていますが、交渉の場合、それができなければ致命傷です。
さらに多数の視点を持つ
特に知るべきは、相手が何を望んでいるのか?
そして、どういう風に考えてそれを望んでいるのか、ということです。
こういう時に役立つ考えが、時間軸。
相手は、目先の利益を欲しがってるのか、それとも、1年先なのか、それとも5年先か。
それを検討つけないといけません。
時間軸が勝敗の分かれ目
目先の利益を求めているならば、最初は相手に有利な条件を提示し、付き合いを重ねるごとにこちらが有利になるようにすれば良い。
しかし5年先を考えてのことだと、こちらも相当、考える必要があります。
こちらに1年先の考えしかなければ、まず勝ち目はありません。
時間軸が勝敗の分かれ目だと考えています。
酒屋の戦略
だから、賢い酒屋は、まず無償提供から入ります。
協賛品もどんどん、くれます。
ハイネケンのビールクーラーをくれたり、グラスをくれたりします。
すると、ビールクーラーには、そこの酒屋のビールを置きたくなるのが心情。
グラスももらってるから、数ある酒屋の中でもその酒屋から仕入れたくなる。
もらったものは返さなくては悪い、という心理を突いた戦略です。
特に新規開業したての飲食店には、そうした協賛はありがたい。
酒屋としては、目先の利益よりも長期的に付き合ってもらう方が利がある。
より長い時間軸で考える方が、交渉は優位に立てるということです。
難しい交渉をまとめる裏技
交渉は、人と人との折衝です。
相手も人なら、こちらも人。
何が言いたいかというと、時間軸が勝敗の分かれ目ではありますが、決まりかけた商談をひっくり返す裏技もあるんです。
人は、感情的になったら正確な判断はできません。
相手よりも長い時間軸で優位に立ったとしても、感情的になったら負けるかもしれない。
感情的になるとは、怒らせる、だけではなく、狂喜させたり、相手が喉から手が出るほど欲しいものを提示したりすること。
ここでやはり必要なのが、相手が何を考えているか?
何を欲しがっているか?
という相手を知ることなんですね。
最後はwin-winを考える
それでも交渉の結果、人間関係が切れてしまっては、元も子もありません。
互いが納得できる着地点を見つけて、互いに利点があるようにしておかないと、遺恨が残る可能性があります。
縁を切りたい相手ではないなら、最後はwin-winで考えなければなりません。
交渉はある意味、戦いですが、政治でもあります。
事例をあまり紹介できなくて恐縮です。
家賃交渉も、仕入れ交渉も、当レストランはこれからになります。
知識だけあって、使えなくては意味がありません。
しかし、知っているのとそうでないのとでは違うでしょう。
忘備録を兼ねて、学んだことと、経験から導き出した考えをここに記しておきたいと思います。