日本の借金(政府の債務残高)がGDP(国内総生産)の2倍以上になったらいよいよ危険だ。
そんな話を聞いていたのは、2000年代前半でした。
なぜ危険かというと、財政破たんするから。
財政破たんしたら、円の価値が暴落して、10000円が100円くらいの価値しかなくなり、ジュース一本10000円になるよ。
行政のサービスも止まるから、たとえば、ごみ収集も来なくなるから、町はゴミであふれ、衛生環境が悪化して、疫病が流行るんじゃないかな。
なんて言われて、若い時はビビりました。
そして2011年、借金はGDPの2倍を超えて、2019年には1325兆円。
2019年のGDPは、557兆円ですから、借金との比率は2.37倍!
いつ、破たんするんだろう・・・?
本当に日本は破たんするの?
財政破たんが怖いのは、その根拠も実態も分からないからですよね。
調べてみると、そもそも日本は財政破たんなんてしない。
財政問題なんてないんだ、という学者もいることが分かってきました。
現代貨幣理論(MMT)
現代貨幣理論(MMT)という経済理論があります。
2019年1月にアメリカの史上最年少議員のアレクサンドリア・オカシオコルテス議員が支持したことで話題となりました。
MMTによれば、国はいくら借金をしても良い、という。
財政破たんするという主張とは全く真逆の理論です。
ただし、条件はあります。
●自国通貨建てであること
●過度なインフレになるまで借金してはならない
日本はギリシャとは違う
ギリシャの通貨はユーロ建てです。
日本は円で自国通貨。
ギリシャは、他人に借金しているようなものなので、利息も払わなくてはいけないし、借りたものは返さなければいけません。
でも、自国通貨だと、利息はもちろん発生しますが、他人に貸してるわけでないので、返せなくなる、ということにはならない。
だって、最悪、円を発行すれば返済できてしまうからです。
それに、国の借金は国債と言われますが、それを買っているのは9割が国内の銀行で、その半分は日本銀行です。
日本銀行は、政府の子会社なので、会計は同一。
ということは、自分の右手が左手に貸してるようなものなので、借金という意味合いはなしません。
日本を破たんさせようと思えばどうすればいいか?
本当に日本を財政破たんさせようと思えば、どうすればいいか?
ギリシャが破たんしたように、借金を返済できなくなる状態を「債務不履行(デフォルト)」といいます。
そうなるには、日本は円建てではなく、外貨建てで国債を発行しなくてはいけません。
また、変動為替相場制を採用していますが、固定為替相場制にして例えば、1ドル130円と固定する必要があります。
その上で、ばんばん財政支出を拡大して赤字国債を発行し続けるのです。
そうして経常収支が大幅な赤字となり、外貨が不足して返済できなくってはじめて、債務不履行となります。
しかし、実際に外貨建てで国債を発行するなどありえません。
だから、日本が財政破たんすることなどありえない、というのです。
なお、もっと詳しく知りたい方は、中野剛志氏著『奇跡の経済教室【基礎知識編】』(KKベストセラーズ)を参照ください。