2008年9月、アメリカの投資会社リーマンブラザーズの破たんに端を発した、リーマンショック。
あの時、日本のGDP(国内総生産)成長率はマイナス6%でした。
ところが2019年10-12月の年率換算GDP成長率は、なんとマイナス7.1%。
リーマンショックを上回るほど経済は悪化していたのを、ご存知でしたでしょうか?
そこへ、新型コロナが襲いました。
2020年の年率GDP成長率はマイナス25%にもなるとゴールドマンサックスは予想しています。
政府の嘘
リーマンショックを上回る経済悪化を受けて、政府はどんな発表をしたか。
驚きますよ。
景気は、輸出が弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いているものの、緩やかに回復している。
―――月例経済報告(令和2年1月)
緩やかに回復している!
これって、どうひいき目に見ても、嘘ですよね。
リーマンショックを上回る経済悪化です。
にもかかわらず、内閣府が発表している月例経済報告にハッキリ書いてあるのです。
原因は消費税増税
なぜ、2019年10-12月のGDP成長率が落ちたかというと、原因は明々白々。
8%から10%への消費税増税です。
GDPは国内総生産、といわれますが『三面等価の原則』といって、所得、生産、支出(消費)はイコールになることがマクロ経済学で証明されています。
ということは言い換えれば、GDPというのは、国民の所得の合計であり、支出の合計でもあるということですよね。
GDPマイナス7.1%ということは、所得が7.1%下がったのと同じ。
年収500万の人なら、35万円消えるということ。
何のための増税?
では、何のために増税はされたのでしょうか?
財務省のホームページにはこのようにな記載があります。
社会保障制度の財源は、保険料や税金だけでなく、多くの借金に頼っており、子や孫などの将来世代に負担を先送りしています。
少子高齢化が急速に進み、社会保障費は増え続け、税金や借金に頼る部分も増えています。安定的な財源を確保し、社会保障制度を次世代に引き継ぎ、全世代型に転換する必要があります。こうした背景の下、消費税率は10%に引き上げられました。―――財務省ホームページより
社会保障制度の財源の為に、引きあげられた。
たしかに、少子高齢化で、2025年には4人に1人が65才以上という超高齢社会に入るわけで、社会保障費は必要でしょう。
財政問題なんてない
しかしここでも、政府(正確には財務省)は嘘をつきます。
「社会保障制度の財源は、保険料や税金だけでなく、多くの借金に頼っており、子や孫などの将来世代に負担を先送りしています。」
と書いています。
たしかに一部の学者は、日本の財政破綻を憂慮しているし、今回のコロナ対策で増税のさらなる増税論が出てきています。
でも一方で、財務省は、海外の格付け会社が日本国債のランクを下げた時にこのように反論しているのです。
日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
財政破綻論に関しては、様々な意見があることは承知していますが、ここで財務省が言っているのは、自分たちで円を発行できる国が財政破たんすることはない、ということ。
これはMMT理論といって、インフレの上限まではいくらでもお金を発行することができるという理論です。
であれば。
増税する必要なんてないのです。
足りなければ、お金を発行すればいいだけですから。
100兆円以上の経済対策を
MMT理論含め、財政問題に関しては、上記説明だけでは乱暴すぎるのでまた、ゆっくりまとめたいと思いますが、心情的に許せないのは、こうやって嘘をばらまきながら、自分たちにとって都合の良い政策を推し進めようとする姿勢です。
新型コロナで、多くの国民が危機に瀕しているのに、今もってなお、セコイ政策しか打ち出さない。
一部の良識のある方々が提案しているように、消費税撤廃、粗利保障、一律給付金などで、少なくとも100兆円以上の赤字国債を発行したら良い。
GDP550兆円の25%が消えるとしたら、それだけで137兆円。
それを埋め合わせる経済対策をしないと、僕たちは元の暮らしに戻ることはできません。