個人事業主、フリーランスが支払う税金の種類と保険について

会社に属さず、個人事業主として活動する場合、どのくらい税金や保険料がかかるのでしょうか。

会社員であれば、国民年金、社会保険、住民税、所得税、すべて給与から天引きされる形でした。

人によっても違いますが、20%近く引かれるんですよね・・・。

そういうものだということで、会社員として給与をもらっている立場と気にならないものですが、個人事業主となるとそうもいきません。

会社に属しているときは会社が負担してくれていた部分も含めて、自分で支払っていかないといけません。

税金と保険の種類

個人事業主が支払う税金と保険のリストは、下記のとおりです。

税率&保険料率支払期限日納付先経費&控除
所得税課税所得×税率5~45%3月15日まで国税庁経費計上可
復興特別所得税所得税額×税率2.1%3月15日まで国税庁
住民税課税所得×税率10%(※標準税率。地域によって異なる)6月末、8月末、10月末、翌年1月末地方税
消費税売上×税率7.8%

※開業2年間は免除。ただし、1千万以上売上たら2年後から発生。

3月31日まで国税経費計上可
地方消費税売上×税率2.2%3月31日まで地方税経費計上可
個人事業税(事業所得-※各種控除)×税率3~5%
※事業所得控除290万円
8月末、11月末地方税経費計上可
国民健康保険税賦課基準額(総所得-基礎控除33万円)×税率8%~12%前後
※所得割額のみ
※税率は自治体により異なる
6月~翌年3月の各月末
(10回に分けて納付)
地方税社会保険料控除
国民年金保険料月額16,410円納付対象月の翌月末日本年金機構社会保険料控除

この複雑極まる税と保険制度・・・。

嫌になりますが、日本で生きる以上、仕方ありません。

所得税

所得税を計算するには、まず課税所得(税金がかかる所得)を求める必要があります。

課税所得は、売上から経費を引いて、さらに所得控除などを引いたものです。

所得控除

所得控除には、以下のようなものがあります。

控除の種類控除の概要と所得税計算での控除額
社会保険料控除公的な保険料(国民健康保険や国民年金)を納めた場合の控除
その年に支払った金額を全額控除
小規模企業共済等掛金控除指定された共済や個人型年金などを支払った場合の控除
その年に支払った掛金を全額控除
生命保険料控除民間の保険会社に一定の保険料を支払った場合の控除
年間の生命保険料によって金額が変わる(最高12万円
地震保険料控除民間の保険会社に一定の地震保険料を支払った場合の控除
年間の地震保険料によって金額が変わる(最高5万円
寡婦・寡夫控除夫・妻と、離婚や死別した場合などに受けられる控除
基本的には27万円(35万円の場合もあり)
勤労学生控除納税者が勤労学生の場合に受けられる控除
27万円
障害者控除納税者や控除対象の親族が、所得税法上の障害者に当てはまる場合の控除
基本的には一人につき27万円(40万円もしくは75万円の場合もあり)
配偶者控除控除対象になる配偶者(夫か妻)がいる場合の控除
基本的には38万円(配偶者が70歳以上の場合は48万円)
配偶者特別控除配偶者に38万円を超える所得があり配偶者控除を受けられない場合でも、配偶者の所得金額に応じて受けられる控除
配偶者の所得に応じて控除額が変わる最高38万円
扶養控除控除対象になる扶養家族(16才以上)がいる場合の控除
基本的には38万円(103万以上の収入があると外れる。老人扶養控除の場合は最大58万)
基礎控除納税者が全員一律で対象になっている控除
みんな一律で38万円
雑損控除災害や盗難などによって損害を受けた場合の控除
損失額に応じて控除額が変わる
医療費控除病院などで医療費を一定以上支払った場合の控除
支払った医療費 - 保険金など - 10万円 = 医療費控除額
(10万円の部分 → 年間所得200万円未満の場合は総所得の5%)
>> セルフメディケーション税制
寄付金控除寄付をした場合の控除(「ふるさと納税」はこの寄付に当てはまる)
特定寄附金 - 2,000円 = 寄附金控除額
ただし、上限あり(年間所得の40%まで)
青色申告特別控除青色申告者にだけ適用される特別控除 10万円 or 65万円

フリーランスで、ホームページ制作やコンサルなどを請け負う仕事をしているとしましょう。

配偶者がいて、子どもが16才以下の2人いる場合。

売上が900万で、経費60万、社会保険料控除20万、生命保険料控除12万、配偶者控除38万、基礎控除が38万、青色申告控除で65万とすると、課税所得は667万。

その課税所得に対し、課税される料率が以下のように変わるのです。

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

高すぎない?

と思うのは私だけではないはず。

課税所得が667万なら、133.4万。

そこから控除額63.6万引いて、70万。

これが所得税。

復興特別所得税

所得税×2.1%は、復興特別所得税として納めなくてはいけません。

上記の例なら、1万4700円。

住民税

住民税は、地方によって違いますが、東京なら課税所得の10%と考えればよいようです。

ということで、66.7万。

消費税

個人事業主として開業して2年間は免除されますが、売上が2000万円を超えると、その2年後から納付しなければなりません。

初年度はしなくて良いので、飛ばします。

地方消費税

売上の2.2%なので、900万の場合。

900万×2.2%=19.8万

個人事業税

(事業所得-※各種控除)×税率3~5%なので、

売上900万ー経費60万ー事業所得控除290万=27.5万

国民健康保険税

賦課基準額(総所得-基礎控除33万円)×税率8%~12%前後。

売上900万ー経費60万×12%なら100.8万。

国民年金保険料

月額16,410円なので、年間では196920円。

約20万。

驚愕!税金と保険料の支払額

計算してみると青ざめました。

フリーランスで、ホームページ制作やコンサルなどを請け負う仕事をしているとして。

配偶者がいて、子どもが16才以下の2人いる場合。

売上900万、経費60万なら。

総額306.27万支払わなければならない!?

実収入のうち36%は国に治めなきゃいけないということです。

目次