あ、それとアイスにホイップクリームをつけてくれない?

面白い本を読みました。

マーケティングの本ですが、事例が豊富で、セールスのヒントが詰まってます。

ジョセフ・シュガーマン著『シュガーマンのマーケティング30の法則』(フォレスト出版)。

その第一章から面白かった。

簡単に言うと「すぐにできる超簡単な客単価の上げ方」です。

チョコレートサンデーとチョコアイス+ホイップクリーム

著者は大のチョコレートアイス好きです。

最高なのは、ホイップクリームと一緒に食べること。

だから彼はデザートの注文の時に「チョコレートアイスにホイップクリームを添えてもらえませんか?」

と注文していたそうです。

ところがそれは、店側からすると、「チョコレートサンデーのシロップ抜き」のこと。

「それは、チョコレートサンデーのことですか?」

「いや、チョコレートアイスにホイップクリームを添えるだけのものがいいんだけど」

「それはシロップ抜きのサンデーになりますが・・」

こんな問答を何度もやり取りしていたんだそうです。

もちろん請求は、25セントのチョコレートアイスではなく、35セントのチョコレートサンデー。

同じものなのに値段が変わった!

ある日、あまりにも疲れていて、そんな問答を繰り返すのも億劫だったのでただの「チョコレートアイス」を注文します。

ウエイターが立ち去ろうとしたとき、やっぱり、ホイップクリーム添えが食べたい!と強烈に思って、彼はこう言いました。

すみません、アイスにホイップクリームをつけてくれない?

そうして出てきたのは、彼が大好物のチョコレートアイスのホイップクリーム添え。

店側からすると、チョコレートサンデーのシロップ抜きです。

でも、請求は、違いました。

35セントのチョコレートサンデーではなく、25セントのチョコレートアイスだったのです。

一貫性の原理

なぜ、同じ商品なのに注文の仕方で値段が違ったか?

これは心理学的にいうと、一貫性の原理というのだそうです。

ウエイターはチョコレートアイスのオーダーを受け入れ、それを守ろうとした。

人は、いったん決定したことに対して、その延長上で行動しようとするのです。

これは、販売に置き換えると、客単価を上げる為の超簡単なテクニックになります。

マクドナルドの「ポテトはいかがですか?」

先だって紹介したばかりですが、マクドナルドでは「ありがとうございます」の後にすかさず「ポテトはいかがですか?」と聞きます。

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日本マクドナルドの創始者、藤田田氏は、瞬間的に催眠術にかかると説明しましたが、一貫性の原理でも説明できます。

いったん購買決定したお客さんは、その延長上で行動しようとする。

お客さんの心理としては、もっと買うつもりになっているのです。

つまり、購入決定した後にすかさず他の商品をすすめること。

それだけで、客単価はあがります。

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