飲食店の売り上げは、顧客数×客単価×リピート率で計算できます。
売上をあげるにはその3つの要素を上げるだけでいい。
飲食店の戦略とは、どれを選択し、組み合わせ、何をやらないかを決めることともいえます。
以前「客単価×リピート率」を「感動の質」と置き換えて、品質やサービスを向上させる切り口を書きました。
今回は、顧客を極端に減らす戦略を考えてみたいと思います。
今後、少子高齢化と人口縮小が進む日本のマーケットにおいて、想定しておかなければいけません。
お客様を減らす!?
お客様を減らす、という逆転の発想をすると、売り上げを上げる為には、客単価を上げるか、リピート率を上げるか、大きく2つの方法が浮かび上がります。
極端な計算をしてみます。
100人のお客様を1/3の30人に減らすとしたら、同じ売り上げを稼ぐためにはどのくらい単価を上げなければいけないか。
客単価を1000円とすると・・・
- 100人×1,000円=100,000円
- 100,000円÷30人=3,333円
リピート率が変わらなかったとしたら、客単価は3,333円に上げる必要があります。
客単価はそのまま、リピート率を上げようとすると・・・
- 100人×1,000円=100,000円
- 100,000円÷30人÷1,000円=3.3倍
同じ単価なら、リピート率は3.3倍に上げないといけません。
不可能ではないかもしれませんが、これはコスト・労力両面で、大変です。
お客様を減らすメリット
ここでお客様を減らすメリットを考えてみたいと思います。
まずは、人件費や宣伝コストなどが削減されること。
100人、対応するのと、30人対応するのとでは、それにかかるコストは大きく違います。
もし同じコストをかけるとすれば、より充実したサービスが可能です。
それに伴い、時間が捻出できること。
多くのお客さんをこなそうと思えば、それだけ自分の時間が取られます。
少ないお客さんなら、一人一人への対応の質を高めたうえで、自分の時間も作れる。
最も大きなメリットは、この「時間をつくること」なのです。
時間を作る
時間というのは、誰にとっても1日24時間平等に与えられています。
その中で、成果を出せる人と出せない人がいるのは、その能力差にもよりますが、戦略の差でもあるのです。
仕事をする時間が10時間、あったとします。
成果の上がらない人は、行き当たりばったりで目の前の業務をこなすことに追われ10時間を消化します。
成果を出す人は、まず業務を整理し、分解、分析して、「やること」と「やらないこと」を決め、10時間のうち2時間は、もっと早くこなせる方法はないか考えたり、未来に投資する時間を作るのです。
作業スピードが同じでも、一月後、両者には大きく開きが出るでしょう。
仕事の質を高める
飲食店経営においていえば、毎日お客さん対応に追われ、未来に投資する時間も捻出できないのであれば、たとえお客さんを減らしてでも、時間を作る必要があります。
理由は「今」の仕事に追われて、「未来」への手が打てないでいると、変化のスピードが早い社会についていけなくなる恐れがあるから。
繰り返すようですが、少子高齢化と人口縮小が進む日本のマーケットにおいて、現状維持というのはありえません。
数をこなす仕事に終始していると、持続しないと考えています。
じゃあどうするかというと、やはり、未来へ投資する時間を作り、とことん備えをしておくべきです。
個人の人生設計においても、飲食店運営においても。
課題は、価値を生み出すこと。
そのために勉強したり、研究したり、商品開発したり、訓練したり、仕事の質を高めるための時間が必要なんです。